Wal-Martの新CIO、RFID計画を支持

RFID採用を推進してきたWal-MartのCIOが交代したが、新しいCIOもRFID計画を支持している。

» 2006年04月14日 14時59分 公開
[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 サプライヤーとRFIDベンダーは一様に、安堵の溜息をついてもいいだろう。

 Wal-Mart Storesの新CIO(情報統括責任者)ローリン・フォード氏は4月13日の社内CIO Summitで、前任者同様、同社のRFID導入計画を支持するつもりだと話した。

 Wal-Martの物流・サプライチェーン担当上級副社長だったフォード氏は、4月初めにリンダ・ディルマン氏に代わってCIO職に就いた。

 ディルマン氏は現在、Wal-Martのリスク管理および福利厚生担当上級副社長を務めている。

 この幹部異動は、クロストレーニングとして創設者が導入した標準的な幹部クラスの刷新の一環だ。

 ディルマン氏は主に、RFID業界――それまで10年間休閑期だった――を活性化させた功績があると評価されている。

 2003年に同氏の指導の下、Wal-Martはサプライヤー上位100社に対し、1年以内にWal-Martの2カ所の流通センターにRFIDタグ付き商品を納入するよう通達した。

 これに加えて米国防総省や小売業者のAlbertsonsなどもRFID採用を指示したことで、ハード、ソフト、標準策定においてベンダーの間で取り組みが進んだ。

 「リンダ(ディルマン氏)のように、わたしはRFIDを、大きな競争上のメリットをもたらす戦略と考えている」とフォード氏は語った。「この計画が減速することはない」

 フォード氏は、昨年承認され、今年商品に実装されたEPC Gen 2規格など、ディルマン氏が支持したのと同じ技術にコミットすると語った。

 同氏は、Wal-Martは6月30日にGen 1技術をフェーズアウトする計画を進めていると語った。

 同氏はまた、製薬会社で使われるUHF(Ultra High Frequency)タグ・リーダーをサポートするGen 2 RFIDタグの能力に感銘を受けたとも語った。

 「多くの人はUHFタグは水や金属が近くにあると読み取れず、HF(High Frequency)タグだけがこれらのテストに通ると考えていた」(同氏)

 「だが当社のチームと技術パートナーは、新しいUHF Gen 2タグは実際に水中でも金属と接しても読み取れると証明した。まさに画期的な技術だ」と同氏は語った。

 Wal-MartがRFIDコミュニティーでロックスターのような地位にあり、UHFと旧版のHFの効果をめぐる争いがあることを考えると、フォード氏のGen 2 UHF支持は広範な影響を及ぼすかもしれない。

 一方では、製薬などの業界では、UHFタグが読み取られるときに放出される「ワット」が危険かもしれないという理由から、HFが最高の選択肢だと考える人がいる。

 他方では、UHFはうまく機能すると考える人もいる。

 問題は、さまざまな業界――そして同じ業界内のさまざまな顧客――がHFまたはUHFタグの導入を義務付けているために、サプライヤーは両方をサポートする別々のインフラを実装するという苦境に立たされるということだ。

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