コストは従来の7分の1に――UTM導入でセキュリティ費用を大幅削減したミサワホームUTM――急成長する中堅企業の「門番」(1/3 ページ)

ミサワホーム北日本は、従来のシステムの見直しを図り、ゲートウェイ部分にUTM(統合セキュリティ)アプライアンスを導入。旧製品をリプレースすると同時に、オプションとしてゲートウェイアンチウイルス/アンチスパイウェア/IPS機能を統合することで、アンチウイルス対策のコストの大幅な削減に成功した。

» 2006年04月19日 07時30分 公開
[井上猛雄,ITmedia]

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 ミサワホーム北日本は、ミサワホームの販売施工ディーラーとして、1996年に秋田ミサワホームとミサワホーム青森の2社が合併してスタートした。同社は、一般住宅や分譲住宅の企画・販売などを中心に、地域密着型の営業展開を図り、同地域においてトップクラスのシェアを誇っている。

インターネットVPNへの変更が導入のきっかけ

 同社が最初にソニックウォールの製品を導入したのは2002年のこと。新しい管理システムを導入するにあたり、秋田、青森、その周辺拠点を含めて、従来の閉域網からインターネットVPNへの変更を検討していた。

 ミサワホーム北日本でシステム管理を担当する本間博行氏は、「当初、大手通信会社のIP-VPN網を利用して拠点間を結んでいたが、月々のサービス料や管理費などが負担になっており、通信費用を抑える必要があった」と当時の事情を説明する。

写真1 ミサワホーム北日本 総合企画部主任の本間博行氏

 また、システム構築を手がけたソリューションプロバイダー、ソリッドシステムソリューションズの鳥谷部浩氏は、次のように振り返る。

 「コスト削減の悩みを解決するために、ファイアウォール/VPNアプライアンスを入れて単独で管理する方向で提案を行った。アプライアンスの選定については、ソニックウォール製品がコストパフォ−マンス面で最も優れているという結論になり、これが導入のきっかけとなった」

写真2 ソリッドシステムソリューションズ ソリューション統括グループの鳥谷部浩氏

 そして今回、さらに現行システムの見直しを図るために、新しくソニックウォールのUTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)アプライアンスを導入することになった。2005年10月に製品が決定し、2006年3月末には本稼動というスピード導入であった。それでもテスト期間中は、ソリッドシステムソリューションズ内で、ミサワホーム北日本と同様のシステム環境を構築しながら試運転を繰り返したという。

セキュリティコスト削減のためUTMにリプレース

 ミサワホーム北日本では、すでに本社・支社全11拠点においてソニックウォールの旧製品が導入されていた。今回のシステム見直しでは、センター拠点となる秋田・青森支店のゲートウェイ回りを中心にシステムを変更することになった。

 システム改変において、中核となったのは「SonicWALL PRO 1260 Enhanced」だ。PRO 1260は、アプリケーション層までパケットを精査する「ディープパケットインスペクションエンジン」を採用したファイアウォール/IPsec VPNアプライアンスである。これに「SonicWALLゲートウェイアンチウイルス/アンチスパイウェア/IPS」と「SonicWALLネットワークアンチウイルス」の機能をオプションで追加し、本格的なUTMアプライアンスとして利用。また、ネットワークアンチウイルスについては秋田支店側で一括管理し、青森支店でも共用できるようにした。

写真3 SonicWALL PRO 1260では、ファイアウォール/VPN機能にマルチレイヤでのセキュリティ機能を加えてUTMアプライアンスとして利用できる

 「従来は他社製品でゲートウェイアンチウイルス対策を施していたが、新しく導入したPRO 1260 Enhancedでは、ゲートウェイアンチウイルスだけでなくアンチスパイウェア/IPSを統合したため、セキュリティ対策に掛かるコストを大幅に削減できるようになった。特にゲートウェイアンチウイルス対策のコストについては、これまで70万円以上掛かっていたものが、一挙に10万円程度にまで抑えられた。さらにネットワークアンチウイルスも導入し、クライアントのセキュリティ対策まで整えることができた」(本間氏)

 このようにUTMアプライアンス側でセキュリティシステムを統合することで、劇的な費用対効果が見込めるようになったのである。

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