4月のMS月例セキュリティパッチを総括――ActiveXコントロールの動作に影響(1/2 ページ)

Microsoftは2006年4月の月例パッチで、「緊急」レベル3件、「重要」レベル、「警告」レベル各1件の修正プログラムを公開した。緊急レベルのうち1つは、既に流布している攻撃に対応する。IEの累積更新プログラムは、できるだけ早期に適用する必要があるだろう。

» 2006年04月20日 07時00分 公開
[Michael Cherry,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 2006年4月のMicrosoftの月例セキュリティアップデートでは、「緊急」レベルの修正プログラムが3件と、「重要」レベル、「警告」レベルの修正プログラムが各1件公開された。緊急レベルの修正プログラムのうち1つは、Internet Explorer(IE)用の累積更新プログラムで、既に流布している攻撃に対応するパッチのほか、最近の特許訴訟に伴い、IEでのActiveXコントロールの動作を変更するためのパッチも含まれている。攻撃に対応するパッチの適用は必要だが、ActiveXの動作の変更に対応できる状態にないユーザーもいることから、次の累積セキュリティ更新プログラムのリリースまで、一時的にActiveXの動作を元に戻す二次的な修正プログラムも提供されている。

3件の緊急レベルの修正プログラム、早期の適用が必要

 IE用の累積セキュリティ更新プログラムは、合計で10件の脆弱性に対応する。10件の内訳は、攻撃者がシステムをリモートから完全に制御できてしまう可能性があるコード実行の脆弱性が8件、情報漏えいの脆弱性が1件、なりすましの脆弱性が1件である。

 この累積更新プログラムについては、可能な限り早期に適用する必要があるだろう。同更新プログラムによりcreateTextRangeメソッドの脆弱性が修正されるが、この脆弱性を悪用した攻撃が既に流布しているからだ。ただし、このプログラムを適用すると、IEのActiveXコントロールの処理方法も変更されることに注意が必要だ。これはEolas訴訟の裁定に従うための措置で、同更新プログラムの適用後は、各ActiveXコントロールをクリックまたはキーボードからのキー操作により手動で有効にしないと、ActiveXコントロールが機能しなくなる。しかし中には、セキュリティ上の脆弱性のみを修正し、ActiveXの動作変更については対応準備が整うまで保留を望むユーザーもいることから、次の累積セキュリティアップデート(6月公開予定)までActiveXの変更を無効にする修正プログラムも合わせて提供されている。

2006年4月のMSセキュリティパッチ

セキュリティ情報/セキュリティアドバイザリ 深刻度 影響を受けるソフトウェア サポート技術情報 このパッチにより置換される過去の更新プログラム
MS06-013:Internet Explorer用の累積的なセキュリティ更新プログラム 緊急 Windows、
IE
912812 MS05-054
MS06-004
MS06-014:Microsoft Data Access Components(MDAC)の機能の脆弱性により、コードが実行される可能性がある 緊急 Windows 911562  
MS06-015:Windowsエクスプローラの脆弱性により、リモートでコードが実行される 緊急 Windows 908531 MS05-016
MS05-008
MS06-016:Outlook Express用の累積的なセキュリティ更新プログラム 重要 Windows 911567 MS04-018
MS05-030
MS06-017:Microsoft FrontPage Server Extensions の脆弱性により、クロスサイト スクリプティングが起こる 警告 Windows、
FrontPage Server Extensions、
SharePoint Team Services 2002
917627 MS05-006
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