富士通、自らの実践ノウハウを生かし「安心安全」ビジネスを強化

富士通はこれまで提供してきたリスクマネジメントのための製品/サービス群を体系化し、「安心安全ソリューション」として提供していく。

» 2006年04月24日 22時32分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 富士通は4月24日、同社がこれまで提供してきたリスクマネジメントのための製品/サービス群を体系化し、「安心安全ソリューション」として提供することを発表した。第1弾として、セキュリティおよび事業継続に関するメニューから提供を開始し、順次拡大していく計画だ。

 富士通ではこれまでも、不正アクセス対策やウイルス対策、物理セキュリティやセキュリティポリシー策定/監査など、セキュリティ関連の製品/サービスを提供してきた。しかし「個々のプロダクトごとにばらばらな取り組みであり、企業活動と一体化していなかった」(同社経営執行役、石田一雄氏)

 これに対し新ソリューションでは、マネジメントの観点から関連する製品やサービスを体系化し、漏れのないよう総合的に提供していくという。

 例えばセキュリティに関しては、「組織」「インフラ」「アプリケーション」という3つのレイヤに分けてさまざまな技術やサービスを提供する。メニューには新たに、認証とID管理、アクセスコントロール、証跡管理、脆弱性やインシデントなどの集中管理といった機能を提供する「セキュリティ統制ソリューション」、セキュリティ運用と緊急時の対応支援を行う「インターネットセキュリティ総合サービス」が追加された。

 一連のセキュリティ関連サービスを下支えするのが、富士通での実践ノウハウを集約した「セキュリティマネジメントフレームワーク」(SMF)と「エンタープライズセキュリティアーキテクチャー」(ESA)というアーキテクチャだ。これらにはセキュリティ上のさまざまな課題を解決していくための具体的なガイドラインがまとめられているほか、ノウハウ、文書/プロセスのひな形などが提供される。

 また、「今やIT活動なしに企業活動は行えない」(石田氏)ことから、事業継続ソリューションにも力を入れていく。新たに、事業継続計画の策定を支援する「BCコンサルティング」サービスを追加するほか、インシデント発生時の対応、バックアップ/ディザスタリカバリを支援するサービスを提供していく。

 この場合も、富士通自身の経験やノウハウを反映させた形でサービスを提供することが特徴となる。「(自社の事業継続に対する取り組みの中で生まれた)ツールを用いてプロセスを可視化し、リスク分析を加えて事業を『見える化』することが大きな柱になる。この際、すべてをすぐに復旧させるというわけではなく、優先順位に沿って対策をとっていくことが重要」(石田氏)

 併せてソリューションの提供体制も強化する。戦略策定やセキュリティ監査などを実施する専任組織「情報セキュリティセンター」の人員を強化し、現在50名ほどというコンサルタントやエバンジェリストを140名規模に増やす。2008年度には、製品/サービス担当も含め総勢1400名体制でソリューションを提供していく計画で、今後3年間で2900億円の売り上げを目指すという。

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