日本通信、インターネットを介さないセキュアな接続サービス

日本通信は、コンシューマー向けにサービスを提供する銀行や証券会社などを対象とした、PHSや携帯電話を用いた専用線サービス「PWLL」を発表した。

» 2006年04月25日 10時02分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 日本通信は4月24日、コンシューマー向けにサービスを提供する銀行や証券会社、オンラインショッピング企業を対象とした、PHSや携帯電話を用いた専用線サービス「PWLL(Personal Wireless Leased Line)」を発表した。

 PWLLでは、専用ソフトウェアと通信カードを用いて、日本通信のデータセンターに用意された専用アクセスポイントにPHS/携帯電話経由で接続。そこから先にある各企業の設備(サーバなど)との間も専用線でつなぐ。インターネットをいっさい経由しないため、外部からの攻撃を受けず、安全に通信を行える点がメリットという。

 「銀行のATM端末は、専用線を通じて銀行のシステムとしか接続できない。PWLLはこれと同じ仕組みを無線で実現するサービス」(同社代表取締役社長、三田聖二氏)

 この場合も、何らかの形で端末がマルウェアに感染していれば、キーストロークの盗聴や同一ネットワーク(専用線網)内の端末に対する攻撃などが生じる可能性がある。しかし専用ソフトウェアに、サービスを利用している間はインターネット接続など他の通信を行えず、かつ他のアプリケーションからの影響を受けない仕組みを搭載することで、そうしたリスクを排除するという。

 日本通信では同様のサービスを、企業と従業員を結ぶ接続サービスとして提供してきた。PWLLはこれを、コンシューマー向けのサービスを提供する企業に、顧客との間を結ぶ手段として提供するもの。すでに銀行や証券会社など数社が、サービス導入に向けて検討を進めているという。

 また、既存の専用線では工事なども含め高いコストがかかっていたが、PWLLの場合は、無線であるため工事は不要となり、しかもMVNOであるため効率よく回線を利用できる。「今までコストが高すぎた専用線の機能をコンシューマーとの取引に簡単に利用できるようにする」(三田氏)といい、既存の専用線サービスに比べ50分の1から100分の1程度の料金で提供していくという。

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