米Secure Computingは、2006年初頭にCSM(Content Security Management)製品を擁する米CyberGuardを買収し、エンタープライズ向けのUTM(統合セキュリティ)マーケットにおいて、トップの座に躍り出た。「CERT/CCに脆弱性を見つけられたことはない」と誇る同社は、大企業向けUTMアプライアンスの抱える課題をどのように解決しようとするのか。今後の方向性、展開について同社に話を聞いた。
UTMアプライアンスは、セキュリティ機能を統合して提供できる点が最大のメリットだ。とはいえ、これらの機能が統合されているが故に、負荷の大きいIPS機能やアンチウイルスなどのセキュリティ機能をフルに活用すると、パフォーマンスが落ちてしまうという課題が残されている点は否めない(関連記事参照)。
さまざまなトラフィックが行き交う中堅〜大企業のネットワーク上に設置されるUTMアプライアンスでは、パフォーマンスが特に重要になる。UTMべンダーでは、このようなUTMアプライアンスのデメリットを補完する方策を、一体どのように考えているのだろうか? 今年1月に米CyberGuardを買収し、新たな製品展開を図るセキュアコンピューティングジャパンの竹内 宏氏、ロバート E.プリギ氏、米澤一樹に話を聞いた。
ITmedia まずCyberGuardを買収した経緯と狙いを教えてください。
竹内 我々としては、今回の件は買収や合併というよりも、どちらかというと「企業同士の結婚」と考えています。従来のセキュアコンピューティングにない技術や製品を旧CyberGuardは持っていました。お互いの強い部分をマージして、それぞれのアドバンテージを生かしながら会社を大きくするという意味で、1+1の技術を2にも3にもするシナジー効果を狙ったわけです。
プリギ 実は我々の製品も旧CyberGuardの製品も、セキュリティマーケットの中で大変ユニークな特徴を持っています。それは、今まで両者ともCERT/CC(*1)によって脆弱性が発見されたことがなく、セキュリティ強度の非常に高いエンタープライズ向け製品を提供してきた点です。例えば、我々にはUTMアプライアンスとして「Sidewinder G2」という主力製品があります。
米澤 一方、旧CyberGuardでは「TSP」というファイアウォール/VPN製品や、「WebWasher」というCSM(Content Security Management)を擁していました。TSPシリーズは、Sidewinder G2よりもさらに上位のxSPやキャリア向けなどを対象としている製品です。そのため、今回の「結婚」により、ハイエンド製品のスケーラビリティがより一層広がったといえます。
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