IBMメインフレーム接続までカバーするBizTalk 2006の最新形態(2/2 ページ)

» 2006年05月09日 07時00分 公開
[Rob Helm,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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 さらにBizTalk Server 2006には、WindowsをIBMのzSeriesメインフレームとiSeriesミッドレンジホストアプリケーション、およびIBM DB2データベースと統合するためのMicrosoft製品「Host Integration Server 2004 Enterprise Edition」がバンドルされる。BizTalk ServerにHost Integration Serverがバンドルされることで、社内の重要なアプリケーションの多くを依然としてメインフレームで動作させている企業がサポートされることになる。例えば、銀行であれば、Host Integration Serverを使ってメインフレームベースのコアアプリケーションにWindowsフロントエンドを置けば、BizTalk Serverを使って、そのフロントエンドをほかのレポーティング/顧客サービスシステムと統合できる。

 Microsoftは今後もHost Integration Serverを単独の製品として提供し続ける方針だ。コード名でDawsonと呼ばれる次期バージョンは2006年後半のリリースが予定されている。この新版では、ホスト統合用のBizTalk Serverアダプタが提供されるため、BizTalk ServerはHost Integration Serverを介してメッセージを送受信できるようになる。これにより、現在この両製品を統合するために書かなければならない幾つかの「古臭い」コードが不要となる。このアダプタがBizTalk Server 2006の顧客に無料で提供されるかどうかについては、同社はまだ発表していない。

 アダプタとHost Integration Serverがバンドルされることで、BizTalk Serverの開発者は一般的なエンタープライズアプリケーションの統合を速やかにスタートさせられることになる。開発者は依然として、個々のビジネスプロセス(人事プロセスや、受注から現金回収までのプロセスなど)向けにBizTalkのオーケストレーションとビジネスルールを開発する必要があるが、特定のアプリケーションと連携させるための技術的な手間は軽減されるはずだ。

機能が増え、価格は上昇

 BizTalk Server 2006はBizTalk Server 2004よりも価格が高い。推定小売価格は、Enterprise Editionが1プロセッサ当たり2万9999ドル(前バージョンは2万5000ドル)、Standard Editionは1プロセッサ当たり8499ドル(前バージョンは7000ドル)だ。1プロセッサ当たり1000ドルのPartner Editionは打ち切られたが、Partner EditionのSoftware Assuranceを購入済みの顧客は無料でStandard Editionにステップアップできる。非生産的用途向けのDeveloper Edition(1ユーザー当たり499ドル)については、引き続き提供される。なお、Standard Editionではインストールのサイズとプロセッサの制限が変更されている。

 バンドルされたアダプタをいずれか1つでも使用したり、Host Integration Serverを使用したりする場合、BizTalk Server 2006ソリューションはおそらく、BizTalk Server 2004を使った同様のソリューションよりもソフトウェアのライセンスコストを低く抑えられるだろう。だが、バンドルされるアダプタではカバーされないカスタムアプリケーションを統合する場合には、BizTalk Server 2006はBizTalk Server 2004よりもコストが高く付くだろう。こうしたコストの増加は、これまで大手の取引パートナーとの接続にPartner Editionを使ってきた小規模組織にとって痛手となるはずだ。

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