ニュース
» 2006年05月10日 08時00分 公開

[シリーズ特集]ネットテレビは儲かるか 第2回:ロングテール争奪に勝機あり!? (1/2)

〔ネット‐ネット型〕のネットテレビ(※1)の代表格となった「GyaO」にとって、有料課金を基本としていた動画サイトの「Yahoo!動画」が、ネットテレビの強敵として頭角を現した。無料コンテンツを10万本そろえ、広告収益モデルというスキームを取り込むことにより、「ネットテレビ化」したからである。そんなライバル同士の戦場は、「ロングテール争奪」という舞台にあるようだ。

[アイティセレクト編集部,アイティセレクト]

〔ネット‐ネット型〕の代表格となった「GyaO」にとって強敵として頭角を現したのは、2003年12月に動画コンテンツの総合サービスとして公開された「Yahoo!動画」だ。

 「Yahoo!動画」は、「Yahoo! JAPAN」のさまざまなコンテンツの中の、有料・無料の動画コンテンツの総称といえるもの。その「Yahoo!動画」がネットテレビとしての性格を強めることになったのは、2005年12月19日にソフトバンクとヤフーが共同出資してTVバンク(テレビバンク、※2)を設立してからである。

2005年12月19日。TVバンク設立の記者会見に現れた“強力”応援団。格闘技家、強豪チームのプロ野球選手、人気絶頂アイドル、元F1レーサー…まさに強力だ。
「Yahoo! 動画」のサイト画面

 TVバンクは、ソフトバンクとヤフーの動画コンテンツサービス事業にかかわる人材とノウハウを集約した会社だ。基本的に、動画コンテンツの調達、配信システムの開発・運用といった、「Yahoo!動画」の裏方を担っている。

 では、TVバンクの登場で「Yahoo!動画」はどう変わったのか。それは、従来の有料課金のビジネスモデルをやめ、コンテンツを無料化したことだ。広告収益モデルというスキームを取り込んだのである。無料コンテンツ自体は以前からあったが、それはわずか100本ほど。そこで、新たに調達したり、それまで有料課金だったものや「Yahoo! BB」あるいは「Yahoo!プレミアム」の会員(計延べ約1000万人)に対してのみ無料で公開していた「会員見放題」のもの(100番組1000本)の一部を無料開放することにより、一気に1万6000本を用意して、「ネットテレビ化」したのである。

 「有料課金は、1〜2年前に盛んだったころには有効なビジネスモデルだった。ただ、ヤフーのポリシーとして、『Yahoo!JAPAN』はいつでもどこでもアクセスできる、あまねく情報のポータルであること。それは動画に対しても同じ。ですから、『Yahoo!動画』は動画ポータルとして展開させたい。そこで、今後より一層集客を図り、リーチを広げていくためには、無料という形で多くの人に見てもらうのがいいと考えた。そうした方針転換がその12月19日にあった」(メディア事業部ディレクション室でチームリーダーを務める山根陽一氏)

 このような考えは以前からあったという。無料動画サイトとしては「GyaO」が先行している感があるが、「プランとしては視野に入っていた」(山根氏)というのである。

 また、インターネット上に存在する無料の動画コンテンツを検索してリストアップするという検索インデックス(β版)の機能も加えた。「Yahoo!動画」のサイト内では、どれも冒頭の20秒間だけが見れるようになっている。もっと見たければ、そのサイトに飛んでもらう仕組みだ。その数はおよそ7万本に上るという。

 この検索インデックスは、実は拾ってくるサイトを選んでいる。ソフトバンク広報室の中村仁氏によると、検索対象だけにロボットを送り込んでいて、その結果がリストアップされる。つまり、有料課金の動画やアダルト、暴力モノなどを意図的に排除し、絞り込んでいる。その結果が7万本なのである。ちなみに、「GyaO」の番組は検索対象に入っていないという。

 こうして、「Yahoo!動画」は、総計10万本超(有料コンテンツ1万5000本含む)のコンテンツを集積した動画ポータルサイトとして生まれ変わった。

 数で圧倒する「Yahoo!動画」のコンテンツの特徴は、自社制作などオリジナルがないことだ。「ヤフーの考え方として、コンテンツをつくることは絶対しない」(マーケティング部広報の羽入正樹氏)ため、コンテンツは基本的にコンテンツプロバイダー(CP)から提供される。ただ、検索インデックスには、一般の人がウェブで公開している動画もリストアップされる。こうして目指すのは、あくまでも世界最大規模の動画検索インデックスだという。

ソフトバンクとヤフーはそれぞれ60%、40%を出資して、TVバンクを立ち上げた。孫正義ソフトバンク社長と井上雅博ヤフー社長が会見で並んだのは、この日が“史上”2回目だったとか。
       1|2 次のページへ

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -