インド人に勝てるSEになる顧客満足度ナンバーワンSEの条件〜新人編(2/4 ページ)

» 2006年05月12日 08時00分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

オフショアリングを成功させるには

 オフショアリングでは、コストだけでなく品質やスピード、アフターフォローの体制が重要になる。ここで気を付けるべきことは、インド人がどんなに優秀であっても、発注する日本企業側にきちんとした体制が整っていなければプロジェクトは成功しないことである。

 特に、カギになるのが仕様が適切に決まっているかどうかである。オフショアリングにおいて、委託される側のエンジニアは、「無茶な仕様でも顧客が望むならしょうがない」という論理で行動してしまうことも少なくない。日本企業側のエンジニアが、開発に入る前にいかに正確に仕様を決められるかが、成否に大きく影響を及ぼすのである。

 また、海外の拠点にいる技術者との共同作業を強いられるため、人件費分をまるまるコストからカットできるわけではない。例えば、分散するチームを管理する課題を解決するには、現地と日本を橋渡しする新たな要員が必要になる。この部分の技術者のスキルには、かなり高いものが求められる。直接顔を合わせていない人との共同作業は、なかなかスムーズにはいかない。

 インドに担当者が出張したり、インドから技術者が業務を理解するために研修にやってきたり、現実にはオンサイトで人的な交流を図るなどの取り組みが必要になる。このあたりの工数やコストの見積りが正確でないと、プロジェクトはうまくいかない。

 また、海外で開発を行うことに対して経営層や社内の理解を得ることも重要だ。重要情報に対するセキュリティ面や契約、サービスレベルの確認など、日本では当たり前のことがインドでは通用しないかもしれない。あまりにもベンダー任せで進められてきた日本のシステム開発のやり方は、顧客側が生産性やコストに関する品質管理をあきらめてきた結果ともいえる。事前に評価指標を設定し、システム開発というプロジェクトをきちんと管理できるかが、オフショアリングでは改めて求められるのである。

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