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» 2006年05月12日 15時40分 公開

「MSとBrocadeを味方につけた」――パケッティアがWAFSのTacitを買収

パケッティアは5月9日、WAFS(WANファイルアクセス高速化)のベンチャー企業である米Tacit Networksを買収すると発表した。Windowsシステムの広域ファイルアクセスを高速化するソリューションを手に入れた同社は、データセンターからモバイルまで幅広いアクセスサービスを提供できるとしている。

[堀見誠司,ITmedia]

 パケッティア ジャパンは5月12日、WAFS(WANファイルアクセス高速化)のベンチャー企業である米Tacit Networks(タシット・ネットワークス)の買収に伴う今後のソリューション展開について、報道関係者に説明会を行った。

パケッティア ジャパン社長の金城氏(写真右)と米Packeteerのカザレス氏

 パケッティアは、帯域管理・アプリケーション高速化のソリューションを提供するネットワークベンダーで、トラフィックシェーピング(WAN回線の帯域幅制御)を行う「PacketShaper」は、1996年設立以来、企業のデータセンター導入でロングヒット製品となっている。

 今回の米Packeteerによるタシットの買収は、同社の得意とするWANアプリケーション高速化ソリューションを補完するもの。2006年5月9日に発表され、「6月中には手続きが完了見込み」(Packeteer ワールドワイド・セールス担当副社長のアートロ・カザレス氏)というスピード買収となる(買収金額は約7800万ドル)。

 タシットの主力製品「Tacit」は、主に広域でのファイルアクセスを高速化することができる。Windowsシステムのファイルアクセスに使われるCIFS(Common Internet File System)はLANでの利用を前提としているため、WAN経由でのアクセスでは多くのメッセージ交換により大きなオーバーヘッドが生じ、ファイル操作のレスポンスが悪化するだけでなく、ほかのアプリケーションの通信帯域を圧迫してしまう。

Tacit Windows Storage Server 2003をベースにしたTacitは、Windows環境との親和性が高い

 Tacitでは、ファイルのキャッシュやデータ圧縮などを行うSC/IPと呼ばれるストレージアクセス用の独自プロトコルによりこの遅延を抑え、応答性を10倍以上に改善することができるという。また、オプションとして、高速なドメインコントローラ、プリントサーバ、DNS/DHCPサーバ、キャッシュサーバとして機能させるスタッカブルサービスも用意している。

 パケッティアではすでにTCPアプリの高速化ソリューションとして「SkyX」シリーズを持っているが、主にファイルサービス向けにTacit、それ以外のHTTP、FTP、WANアプリケーションの高速化にはSkyXやPacketShaper、という売り分けをしていくという。パケッティアジャパン代表取締役社長の金城盛弘氏はソリューション展開について、「PacketShaperにはアプリケーション性能管理機能があるので、まず導入してもらい、具体的にどのサービスに遅延があるかを把握した上で、TacitやSkyX、PacketShaper Xpressといった製品を個別に提案することになるだろう」と話す。

Brocadeとのパートナーシップや販売ルートは変更なし

 買収後の販売体制については、国内未販売のTacit(Windows用/Linux用)のほか、小規模ユーザー向けの「Tacit mini」、モバイルアクセス用途の「Mobility」という現在の製品ラインで当面は代理店販売を行う。ただし「将来的にはPacketeerブランドに統合し、PacketShaperに機能を組み込むことはあり得る」(金城氏)。

 また、タシットとOEMパートナー関係にあるBrocade Communications Systemsとの関係は、そのまま引き継がれる。BrocadeのWAFSアプライアンス「Tapestry WAFS」を扱う国内の販売代理店にも買収による影響はないという。

 「われわれはタシットの買収で、WAFSソリューションにおいて(ISV関係となる)Microsoftに加えてBrocadeをパートナーに獲得した。これで、アプリケーション高速化におけるパケッティアのビジネスがさらに拡大する」(カザレス氏)

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