インタビュー
» 2006年05月22日 21時08分 公開

「当面は統合にフォーカスする」――米Symantec CEO

米Symantecの会長兼CEOのジョン・トンプソン氏はインタビューの中で、2010年にはすべての規模を現在の2倍にしたいという目標を語った。

[高橋睦美,ITmedia]

 米Symantecは5月初め、サンフランシスコで年次カンファレンス「Symantec Vision 2006」を開催した。Veritas Software統合後初のカンファレンスにおいて、Symantec会長兼CEOのジョン・トンプソン氏は「インフラ」「情報」「インタラクション」の保護がミッションであると訴えた。以下、同氏がインタビューに答えた内容を紹介する。

トンプソン氏 日本メディアからのインタビューに答えたSymantecの会長兼CEO、ジョン・トンプソン氏

―― 日本では現在、Winnyというファイル共有ソフトを通じて情報を漏えいさせるマルウェアの被害が深刻な問題となっています。しかし、被害が日本に限定されていたこともあり、セキュリティベンダー側の対応が遅れがちだったように見えます。こうしたセグメント化された領域をピンポイントで狙う脅威への対応は?

トンプソン 数週間前に日本を訪問しましたが、そのときにもWinny経由で情報を漏えいさせるワームについて多くの質問を受けました。非常に大きな問題になっているようですね。

 Winnyは確かに日本で大きな被害を出しています。われわれは全世界に展開しているグローバル・レスポンス・センターを通じてこうした脅威に対応しており、センターのうち1つは東京に設けています。

 古典的なウイルス/ワームに比べると、Winnyを悪用するウイルスは、感染は控えめでありながら、所有者の意志に反してファイルを公開するという点で大きく異なります。古典的なアンチウイルスソフトウェアの技術は、主に古典的なウイルスを想定していたものでしたが、現在ではわれわれはWinnyを悪用するウイルスにも対応できています。

 かつて、脅威は幅広い相手を攻撃していました。いわば、インターネット上のすべてのシステムがターゲットになっていたのです。しかし今の攻撃は、ターゲットを絞り込むようになっています。特定の国、特定の業界、ときには特定の企業を狙うようになっているのです。われわれとしてはこうした脅威への対応を続けていきます。

―― Symantecではこれまで多くの会社を買収してきました。自ら開発する部分と買収によって手を広げる部分との違いは?

トンプソン Symantecでは収入の15%を研究開発分野に当てています。具体的にはポリシーコンプライアンスやエンドポイントの保護、インフラに関してはデータセンター管理の自動化などです。また、バックアップ/リカバリの分野では、継続的データ管理やレプリケーション、バックアップ/リカバリプロセスの簡素化などが挙げられます。いずれも重要な投資分野です。

 買収ですが、今後半年は予定していません。代わりに、これまで買収して傘下に入ったポートフォリオの統合に力を入れていきます。2006年にはVeritasも含め7社を買収しましたが、これらの統合にフォーカスしていくつもりです。

―― Veritas Softwareとの統合を発表して1年近くが経とうとしていますが、その統合はどの程度進んだと考えていますか?

トンプソン Symantecでは、統合に当たって慎重なアプローチをとっています。新たに加わった人を理解し、オペレーティングを理解し、重複などに関しては時間をかけて解決を探っています。業界の中には、大規模な統合に伴い大幅なレイオフを行うところもありますが、そうしたやり方は失敗することが多いものです。Symantecはそうしたアプローチはとらず、従業員の帰属意識や顧客との関係を強めていきます。

 Veritasとの統合に関しては、これまでに営業部隊や人事システムを統合しました。また、メールシステムのほか、セールス/サービス向けのサポート、プログラムも統合していますが、まだまだなすべきことはたくさんあります。概してこうした統合が完了するには1年半から2年はかかるものですが、われわれの場合、まだ10カ月ほどしか経っていませんから。

―― 5年後、10年後のSymantecはどのような姿になっているでしょうか。

トンプソン 2010年には、すべてを現在の2倍に成長させたいと考えています。売上高は現在の年50億ドルから100億ドル規模に、従業員数は1万5000人から3万人以上に、エンジニアの数は8000人に、という具合です。そして、「インフラストラクチャ」「情報」「インタラクション」の保護のリーダーとしての地位を確立させていきます。また、製品を取り巻くサービスを強化していくため、パートナーとの連携も重視していきます。



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