Interop Tokyoから見えてくる新しいネットワークの世界

6月5日から9日にかけて、ネットワークにフォーカスした国内最大のイベント「Interop Tokyo 2006」が幕張メッセにて開催される。

» 2006年05月24日 00時00分 公開
[ITmedia]

 6月5日から9日にかけて、ネットワークにフォーカスした国内最大のイベント「Interop Tokyo 2006」が開催される。13回目を迎える今年は「Back to the Fundamentals――見つめ返すと、新たなネットワークの世界が見えてくる」がテーマだ。

 さまざまな折に触れては「ブロードバンド大国」と称される日本。改めて強調するまでもないほど、「ネットワーク」は当たり前の存在となった。オフィスや家庭はもちろん、駅や電車での移動中、コーヒーショップなど街中に至るまで、いつでもどこでも接続できる世界が現実のものとなった。オフラインであることがむしろ珍しいほどだ。

 もはやインターネットは社会の基本的なインフラの1つになっていることに、誰も疑いは抱かないだろう。特に企業にとっては、高速なネットワークインフラは日々のビジネスを進める基盤であり、社員、あるいはパートナーや顧客とコミュニケーションを取る重要なツールになっている。

 このネットワークが今の姿に至るまでにはさまざまな模索があり、紆余曲折があった。多様な「テクノロジ」や「流行」が生まれては市場で揉まれ、あるものは消え、あるものは融合し、そしてあるもの現実社会を支える欠かせない技術となってきたのだ。

 Interopは常に、その時々の最新のテクノロジが紹介される場としての役割を果たしてきた。ギガビットイーサネット(GbE)や10GbE、無線LANに光技術、マルチキャスト、セキュリティ……当初は「実験的」に会場の中で提示された数々のテクノロジは、われわれのワークスタイル、ライフスタイルを大きく変化させ、それを支える存在となっている。その成長、発展はこれからも変わらないだろう。

 しかし一方で「何事も、ベーシックな部分を無視して流行のみを追いかけた投資をしても、期待したリターンは得られない」のも事実だ。最新の技術を吸収し、時代が要求するスピードや流行に惑わされるあまりに「基本」を見失っていないか?――Interop Tokyo 2006のテーマの背景にはこうした問題意識がある。

 例年通り、Interop Tokyo 2006の会場では、幕張メッセに張り巡らされる「ShowNet」をベースに、約300の出展社が最新の製品・サービスを紹介する。また「セキュリティ」「ユビキタスネットワーキング」「オープンソース」「WiMAX」および「ベンチャー」というパビリオンが設けられ、注目される最新技術やテーマごとの動向が紹介される予定だ。

 また昨今では、「通信」と「放送」の融合も大きなトレンドの1つだ。そこで今回は、放送と通信の連携にフォーカスした専門イベント「IMC Tokyo 2006 -Interop Media Convergence-」も同時に開催される。ここでは、伝統的なネットワーク/ITベンダーだけでなく、放送業界やコンテンツ業界から見た新たな「デジタルエンターテイメント」の姿

 Interopの最大の特徴とも言える充実したコンファレンス群も注目だ。ネットワーク運用やサーバ設定の基本に始まり、ブロードバンドやモバイル、ワイヤレス、セキュリティにNGN至るまで、さまざまなレベル、さまざまなテーマのセッションが用意されている。

 「初心」に帰って、どの方向へ進むべきなのか、自社の課題は何なのか――Interop Tokyoはこの先を見据え、新たなネットワークの世界を見いだす機会になるだろう。

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