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» 2006年05月31日 20時56分 公開

Microsoftの「Bitlocker」はデータセキュリティの救世主となるか? (1/2)

Microsoftは、「Windows Vista」オペレーティングシステムに「Bitlocker」と呼ばれるHDD暗号化ツールを搭載する予定だ。セキュリティの専門家らはそのメリットを認めているが、Bitlocker自体やその利用法にある種の懸念を抱いている。

[John G. Spooner,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftが、Windows PCに保管されているビジネス関連の重要なデータを、簡単に参照したり盗めなくする技術の開発を進めている。

 同社はリリース間近の「Windows Vista」オペレーティングシステムに、「Bitlocker」と呼ばれるHDD暗号化ツールを搭載する予定だ。Vistaは現在第2β版がリリースされており、11月には大企業ユーザーへの提供が始まる。Windows VistaのEnterpriseエディションおよびUltimateエディションに搭載されるBitlockerは、HDD全体を暗号化することが可能なので、コンピュータを紛失したり盗難された場合でも、データが漏えいしにくいという。

 Microsoftは、Bitlockerを用いることでPCの紛失時などでもデータが不用意に流出する可能性が低くなると主張している。企業は、PCやサーバのHDDを完全にフォーマットせずに廃棄することがあるが、こうした際にもデータの漏えいが起こり得る。また、ドライブに不正なアクセスを試みる社員や、データの奪取を目的にPCを盗む犯罪者への対策としても役立つという。HDDの暗号化ツールはすでに存在しているが、Windows Vista自体にBitlockerが実装され、Vistaの「Active Directory」にバックアップ用の暗号鍵を自動的に保存するツールが組み込まれれば、企業はセキュリティ対策としてのHDD暗号化について真剣に考えるようになるだろうと、業界の観測筋は指摘している。

 5月23日、シアトルで開催されていた「Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC) 2006」で基調講演を行った、Microsoftの市場拡大グループ担当副社長のウィル・プール氏は、「Windows Vista(の新機能)で最も気に入っているものの1つが、ドライブ暗号化機能であるBitlockerだ。ラップトップであろうとデスクトップであろうと、(PCが)盗まれたときにハードディスク上の情報を守ってくれるBitlockerがあれば、誰もデータを奪うことはできない」と語った。

 プール氏は「個人的な経験だが、ニューヨークにある金融サービス会社のオフィスから、わたしの名前や口座情報、社会保障番号が保管されているPCが盗まれたという知らせを受けて、のんびり過ごしていた週末が台無しになったことがある。Bitlockerが用いられていれば、盗難にあったマシンのデータが第三者に接収される心配をせずに済んだのだが」とも述べた。

 Vistaはいまだにβテスト中であり、Bitlockerの大規模な試用検証も済んでいないが、業界観測筋の見解は、HDD暗号化ツールが普及すれば、企業のデータセキュリティ向上に対する意識は間違いなく高まるということで一致している。

 一方で、カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くCounterpane Internet Securityの最高技術責任者(CTO)、ブルース・シュナイアー氏は、Bitlockerは万能策ではなく、データを安全に保つために必要な複数のステップの1段階でしかないと警告している。

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