DATで既に提供されるエラー訂正技術とデータ保全性機能に加えて、DDSフォーマットには、以下の特徴がある。
- 速いデータサーチ能力
- テープを二分割にフォーマットするオプション
- 第3のレベルのエラー訂正機能(C3 ECC):基本的なDATフォーマット技術(C1 ECCとC2 ECC)で訂正できないエラーを修復可能
- Read-after-write(RAW)機能:データ書かれた直後にデータのエラーをチェックし、必要に応じて書き直す
DDSフォーマットのRead-after-write機能を実現するため、下図のように、2つのReadヘッドがそれぞれのWriteヘッドと90度の位置になるように回転ドラムに取り付けられている。この機構により、データが書き込まれた直後にデータを読み取って、データの保全性を確認しているのだ。もし書き込み時にエラーが発生すれば、それがうまく読まれるまで、ドライブは繰り返し書き込み、誤ったデータを書き直すという動作を行う。
WriteヘッドとReadヘッド
もちろんDDSの場合は、データ保全性のために、クリーニングテープを使用した定期的なヘッドのクリーニングも欠かせないことだ。
テープを二分割にフォーマットするオプションが使用されていない場合、テープのレイアウトは「デバイスエリア」「レファレンス&システムエリア」「データエリア」「EODエリア」の4つの部分で構成される。
テープレイアウト
Beginning-Of-Medium(BOM)とEnd-Of-Tape(EOT)は、磁気テープがメディアの先頭部と終端部に接続されている部分である。
- デバイスエリアは、テープロード時にヘッドに巻き付けるときに使われる「テープロードセクション」、電子&サーボ部をロード時にテストする「テストセクション」、テストセクションと実際にデータが書き込まれる部分を仕切る「ガードセクション」から構成されている
- レファレンスエリアは、Beginning-Of-Partition(BOP)を示し、システムエリアをアップデートするときの位置決めに使用される
- システムエリアはテープの使用頻度やソフトエラー回数をテープログとして記録している部分。この部分はテープがフォーマットされる度にクリアされる
- データエリアは、バックアップソフトがテープ名や日付などを記録できる「ベンダーグループ」から始まり、バックアップされたデータは「グループ」という単位で保存される
- End-Of-Data(EOD)はその名の通り、データの書き込みが一通り終わると書き込まれる情報で、書き込まれたデータの最後の位置を示している
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