DDS/DATテープストレージ、その知られざるベストセラーの秘密バックアップストレージ図鑑(3/3 ページ)

» 2006年07月13日 10時37分 公開
[関根史和,ITmedia]
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グループ

DDSフォーマットは、対となるデータトラックを1つの「グループ」としてテープ上に記録することによって構築される。

 1つのグループは、22のフレームという単位のデータで構成され、1フレームは対となるWriteヘッドAとWriteヘッドBで書き込まれたデータトラック対だ(下図参照)。また、各グループの最後には、1フレーム分のC3 ECCエラー訂正データが追加されている。

 グループには定められた固定容量があり、そのデータ容量はDDS-1とDDS-2の場合、約126Kバイト。DDS-3とDDS-4は約384Kバイトになる。DAT 72は約512Kバイトある。

DDSフォーマットとテープの比較

進化し続けるDDSテクノロジー

 DDS技術は1989年の発表以来、すでに17年もの歳月が経っている。しかし、その進化は今でも続いている。DAT 72の次の世代にあたるDAT 160では、前世代との互換性を保つため、8ミリテープと4ミリテープの両方をサポートする予定だ。また、現在の主要製品であるDAT72製品以降も、以下のように今後3世代が計画されている。最近の技術としては、USBインタフェースを搭載したDDS/DATドライブが登場しているのがトピックだ。

 USB 1.xの規格がリリースされた当初はいくつかの問題点が存在したようだが、その後に行われた改善やUSB 2.0規格のリリースによって、USBはコンピュータのデータバックアップに十分使えるインタフェースとなったと言える。また、SCSIプロトコルをUSBインタフェース上で使用しているため、これまでSCSIテープを利用してきたユーザーもあまり違和感なく使用できるメリットもある。

 そのほか、USBの利点としては、サーバの内部や外部にも広いネイティブサポートがあり、ユーザーがわざわざ別々のホストバスアダプター(HBA)やケーブルを購入する必要がない。他方で、SCSIテープ装置は、SCSIのHBAや、ケーブル、終端の一式を加えて購入するケースが多く、導入コストが高くなりがちというデメリットがあったわけだ。

関根史和

日本ヒューレット・パッカード株式会社、ストラテジックパートナー営業統括本部、ストレージOEM営業部。2001年日本HP入社後、テープストレージ製品OEMビジネスのエンジニアとして従事。製品採用活動、製品導入作業、障害対応、など、テープストレージ製品の技術的な部分は何でも関わる。テープ装置開発事業部があるイギリスと、日々英語でやり取りしている。


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