頻繁に訪れているサイトを見て回るためにかなりの時間をかけて、各サイトの表示が今回のβ版で良くなったかどうか、あるいはレンダリングが高速になったかどうかを確認した。結局、これまでとの大きな違いは見られなかった。今回のβ版のレンダリングはFirefox 1.5.xよりも若干速くなっているように思えたが、正確なデータは取っていない。
また、ときどき見に行くTappedというウェブログのサイトがFirefox 1.5のときよりも見やすくなっていることにも気づいた。1.5のときはページ左側にあるサイドバーの広告の描画がぎこちなく、ページ上のテキストも不明瞭だったが、2.0ベータのレンダリングは申し分なかった。
残念なことに、新しいFirefoxのポップアップブロック機能は、1.5シリーズから少しも改善されていないようだ。これまでFirefoxのブロックをすり抜けるポップアップが増えつつあることに気づいていた私は、新しいバージョンでこの点が改善されることをかなり期待していたのだ。一例としてQuotes of the Dayというページがある。このページをクリックすると、どこをクリックしたかにかかわらず、ポップアップに悩まされることになる。Firefoxの開発者がポップアップ対策機能の拡張をあきらめたのか、あるいは単に悪意のあるサイトの所有者の方が一枚上手だったのかは分からない。とにかく、ポップアップ対策を施すには開発期間が足らなかったようで、現状ではFirefoxを1日使っていると何回かはポップアップに遭遇する。
参考までに、このβ版にAcid2 Browser Testを適用して問題がないか確認してみた。Opera 9、Konqueror、およびSafariは見事にこのテストをパスしたが、Firefoxはやはりダメだった。Firefoxが圧倒的多数のサイトを正しくレンダリングしていることを考えれば、おそらくたいした問題ではないが、パスできるに越したことはない。
もちろん、アップグレードによって機能が増えるばかりではない。今回のβ版でも2つほど機能が削られている。とりわけ、オリジナルのWebサイトにはない画像をブロックする機能が消えてしまっている。この機能の削除が一時的なものなのか、開発プロセスで決められたことなのかは分からないが、個人的には残してもらいたい機能だ。
また、タブのオプションも幾つか削られている。Firefox 1.5.xでは、ほかのアプリケーションから渡されたリンクを、新しいウインドウまたはタブで開いたり、直近に使用したウインドウやタブで開くように指定できる。今回のβ版では、タブのプレファレンス・ダイアログからこの設定がすっかりなくなっている。
Webブラウジングが「ミッション・クリティカル」な作業である場合、またはお気に入りの拡張機能がFirefox 2シリーズでサポートされていない場合は、最終リリース版が出てからFirefox 2.0にアップグレードするとよい。ただ、私が試した範囲では、今回のβ版は日常的な使用には十分な安定性を備えており、新しいタブ機能とフィードリーダ機能は今すぐにでも2.xシリーズを存分に利用したいと思わせるほど魅力的なものだった。
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