ジュニパーがISPのトリプルプレイに最適なエッジルータを投入

ジュニパーネットワークスは、同社のルータMシリーズの新モデルであるエッジルータ「M120」を10月に投入する。独自のチップを搭載することで、筐体を小型化すると同時にサービスレベルの細かな優先制御が可能となっている。

» 2006年07月20日 10時43分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは7月19日にミッドレンジクラスのエッジルータ「M120」を発表した。同社では通信事業者、ISP網で展開される音声・動画・データのトリプルプレイサービスを支えるインフラとしての需要を見込んでいる。

M120

 M120は、OSやホットスワップ可能なインタフェースカードなど、従来のエッジルータMシリーズ共通のプラットフォームを持つ一方で、上位モデルのM320の約4分の1に筐体が小型化されている。4つの現行のインタフェースカード用スロット、および10ギガビットイーサネットやOC-192に対応する2つの新しいアップリンクカード用スロットを装備、イーサネット、ATM、フレームリレーなど各種回線を1台に収容できる。全二重通信で60Gbpsの容量を持つ。

 同製品の特徴は、QoS(Quality of Service:サービス品質)をアプリケーションレベルまで設定できる点。本体内のフォワーディングエンジンボード(FEB)上に搭載するASIC(特定用途向けのICチップ)「I-chip」により、十分な転送能力を保ちながら異なる回線が混在するVPNごとにQoSコントロールが可能である。さらにI-chip自体が冗長性を持ち、アクティブなFEBが故障した場合でも、スタンバイ用のFEBがパケット処理を引き継ぐことができる。

 さらに音声(VoIP)、動画などサービスなどトラフィックごとに細かい優先制御を行いたい場合は、イーサネットカード「IQ2PIC」を用いる。ポート、VPN、VPNスタック、アプリケーションごとに最大8段階のQoSを設定可能で、多階層でのキューイングを行いながら、本体だけでは処理しきれない大量のパケットを一度に転送処理する。IQ2PICはインタフェース(ギガビット、10ギガビット)、ポート密度などが異なる4種類が提供される。

「IP-TVやVoIPサービスなどマルチサービスにおける要件が変化した」とプロダクトマネジャーのジム・カポビアンコ氏

 米ジュニパーネットワークスIPG部門プロダクトマネジャーのジム・カポビアンコ氏は「モバイル、ブロードバンド、CATVで展開されるマルチサービスのアグリゲーションポイントに設置されるルータに求められるのは、QoSと稼働率だ。M120は音声・映像のインフラ整備、設置スペースの点で日本市場に適していると考えている」と話す。

 M120の価格はオープン。10月より各パートナー経由で出荷される予定。

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