「Montecito」はItaniumにとって第2のチャンスとなるか?(2/4 ページ)

» 2006年07月20日 18時25分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

約1年遅れで登場

 このハイエンド向け新プロセッサは当初、昨年10月に登場する予定だったが、ゲルシンガー氏がeWEEKに語ったところによると、「回路設計の限界に突き当たったため、改良を施さなければならなくなった」という。

 「これは恥ずかしいことだった。チップのリリース時期を明らかにしていたにもかかわらず、それに間に合わなかったからだ。世界最大のチップメーカーでありながら、スケジュール通りに製品をリリースできなかったのだ」と同氏は話す。

 設計変更は2005年から2006年にかけた冬に行われ、「多数のステッピング(バージョン変更)とテストが実施された」という。

 「出荷を開始したのは6月だったが、“ドロップインソケット”型のチップなのでOEM各社は極めて短期間でシステムに組み込むことができた」(ゲルシンガー氏)

 Intelおよびパートナー各社は7月18日の発表会で、Itaniumが勢いづいていることをしきりに強調するとともに、同アーキテクチャーに移植されるアプリケーションの数が増えており、Itaniumシステムの売り上げも伸びていると指摘した。しかしマサチューセッツ州フレーミンガムにある市場調査会社IDCのレポートによると、Itaniumの出荷数量は2004年から2005年の間に2%減少した。

 これに対し、「販売数量とシステムの売り上げは別物だ」とゲルシンガー氏は反論する。

 「われわれは次のように考えている――2000ドルないし3000ドルの価格帯の開発者向けキットを1000個売るのと、メインフレームシステムのメーカーに1個数十万ドルのチップを1000個売るのではどちらが良いかということだ。これらは明確に異なるカテゴリーに属する。Itaniumシステムの売り上げを見れば、ずっと右肩上がりになっていることが分かるはずだ」と同氏は話す。

 「指標として重要なのはシステムの売り上げだ。IDCの視点から見ても、2004年から2005年にかけて売り上げが大幅に増加している」(同氏)

 ゲルシンガー氏によると、Itanium製品は過去6年間でSunのSPARCから52%の市場シェアを奪い、IBMのPowerプロセッサから約45%のシェアを奪ったという。

 「6年前にItaniumを投入したときのシェアはゼロだった。今、われわれがどこにいるか見ていただきたい」とゲルシンガー氏は話す。

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