PCオタクの新入社員がやってきた! そのとき管理者(あなた)は…良い管理者 悪い管理者 普通の管理者(1/5 ページ)

企業において、PCに詳しい「オタク社員」が自分だけの業務効率を良くしようと勝手にPC環境を変えてしまったら、管理者としては困ってしまう。今回は、逆にオタク社員の知識を活用することで、業務効率を向上させる方法を検証する。

» 2006年07月25日 19時53分 公開
[木村尚義,ITmedia]

生産性維持のためクライアント環境は統一すべき。

 10年くらい前までは、PC自体が高価であったため、1人で1台のPCを占有して使えることは少なかった。

 また当時は、ソフトウェアやハードウェアの機能も貧弱であったため、ユーザーインターフェイスも洗練されておらず、PCを使うにも技術が必要であり、PCを扱える人自体が少なかった。このころから、「PCを扱える人」をオタクと呼ぶような風潮が生まれていた。

 そのような状況の中、PCを使えるオタク社員は自分で環境を構築し、トラブルがあったとしても自力で解決してきた。管理者はユーザーサポートに時間をかける必要もなく、サーバのデータをキチンとバックアップすることと、システムダウンしないように管理することにだけ注意を払っておけばよかった。クライアントPCは(オタクである)社員に渡してしまった後は、アプリケーションのインストールから環境設定まで彼らの判断で行ってくれるから、自由に使わせていればよかったのだ。

 現在では、1人1台どころか、1人で複数台のPCを使うこともある。本来ならば、業務効率はさらに改善され、生産性も向上し、システム管理だってずっと楽になっているはずだ。

 ところが、システム管理者は逆に手間が増えるようになった。ここまでクライアントPCの数が増えると、とても一部のオタク社員に社内で頻発するトラブルシューティングを任せきりというわけにもいかなくなったからだ。

 もはや、PCを購入するコストよりも、さまざまな環境のPCを管理するコストのほうが高くつく時代に変わった。

 このような状況下で管理コストを抑えるには、オタク社員の高度なスキルに頼って個々に作業するよりも、多少不便な環境であったとしても、安定した統一環境で業務を進めるべきだ。組織全体としての生産性も向上する。

「オタク社員が個別環境を作りトラブルが起こった場合、たとえ自分たちで修復できるとしても、修復している時間は生産性に貢献しない」

 これが、会社のPC環境を勝手に変えてはいけない大きな理由である。

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