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» 2006年07月28日 19時56分 公開

Linux仮想化をめぐりXenとVMwareの対立

「Vistaに搭載されることになった機能は膨大な数に上るようだが、Linuxはその多くをすでに提供している」(クローハートマン氏)。XenSourceとMSの提携は、仮想化にどう作用していくのだろうか。

[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 オレゴン州ポートランド発――Linuxカーネルに実装される仮想化技術が1つに絞り込まれることは、当面はないと考えた方がよい。

 グレッグ・クローハートマン氏は7月26日、現地で開催された年次イベント「OSCON(O'Reilly Open Source Conference)」に集まった聴衆に対し、XenSourceとVMwareは互いに協力してソリューションを生み出す代わりに、対立していることを語った。

 NovellのSUSE研究所に在籍しているクローハートマン氏は、数多くのサブシステムのLinuxカーネルを保守管理し、すでに軌道に乗ったLinuxカーネル開発チームを統括している人物だ。

 「XenおよびVMwareは、両社とも大量のパッチセットをリリースするなど、まったく同じ方向を目指しているが、その技術は互いに連係できていない。ユーザーが望んでいるのは、どちらか一方が他方を駆逐することではなく、両社が協力してくれることなのだが」(クローハートマン氏)

 クローハートマン氏は、両社が歩み寄り、手を携えるようになるためには、Linuxディストリビューション企業の関係者や開発コミュニティー、ベンダーなどの中立的な立場の仲介者による仲立ちが必要だと述べている。現在はそうした仲介者が、「問題の解決が先延ばしにならないように、両社の尻をたたき、協力関係を構築すべく立ち回っている状態だ」(クローハートマン氏)。

 当初は、Linuxカーネルに組み込まれるのはXenのパッチであり、仮想化はXenを利用してのみ可能になると考えられていた。しかしその一方で、あらゆる仮想ハイパーバイザー技術と連係可能なインタフェースをカーネルに実装していく方向性も探られるようになった。ハイパーバイザーの技術は、Xen、VMware、Microsoftが開発に取り組んでいる。

 先日eWEEKのインタビューに応じたXenSourceのビジネス開発担当バイスプレジデント、フランク・アーテイル氏は、Xenの技術をLinuxカーネルに組み込む準備は整っており、会社としてもすぐに対応できる状態だと話していた。

 だが、2006年初頭にRed Hatの幹部やLinuxコミュニティの関係者らが、Xenの技術は「カーネルに実装する準備ができているとは言い難い」とコメントした件については、アーテイル氏は所感を述べなかった。

 Red Hatの最高技術責任者(CTO)であるブライアン・スティーブンス氏は、同社の「Integrated Virtualization」戦略が公式発表された3月14日のサンフランシスコにおけるイベントで、「わたしは究極の楽天家だが、Xenのコードに加えられてきた修正の規模や速度に関しては楽天的な見方はできそうにない」と、eWEEKに対して語った。

 当のXenSourceは、取り得る選択肢はすべて試し、7月18日にはMicrosoftとの戦略的提携までも発表している。提携の下、両社はXen対応Linuxと「Windows Server」仮想化の互換を実現する技術を共同開発していくと、アーテイル氏は説明した。

 同氏は、「ソフトウェア開発者にとって、潜在的なユーザーの裾野が広がることほど喜ばしいことはない。XenSourceがMicrosoftとの提携を決めたのも、そうした事情を念頭に置いてのことだ」と述べ、自ら開発したAPIがあらゆるプラットフォームで広く利用されていることに、オープンソース開発コミュニティーは大いに満足しているだろうと話した。

 Xenは、「Red Hat Enterprise Linux」の次期リリースばかりでなく、Novellの「SUSE Linux Enterprise 10」プラットフォームでも実装が進んでいるという。また技術的に見て、LinuxはXenハイパーバイザーと通信するためのプロトコルを持っていると、アーテイル氏は述べた。

 クローハートマン氏はOSCONでのプレゼンテーションで、2007年中の出荷が予定されている「Windows Vista」にMicrosoftが搭載しようとしている機能の大半は、すでにLinux上で利用できるものだと語った。「Vistaに搭載されることになった機能は膨大な数に上るようだが、Linuxはその多くをすでに提供している」(クローハートマン氏)

 Vistaの第二版以降に搭載されると考えられるメモリホットプラグ機能や、USB 2.0、Bluetoothサポート、「ExpressCard」などがその例であるという。ExpressCardは、「Windows上では動作しない。ほかにも、われわれが早々に実現しているが、多くの人からは忘れられているものが多数ある」と、クローハートマン氏は指摘した。

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