絶好調のWindowsクライアント部門と収益を圧迫するXbox／MSN（3/3 ページ）

[Matt Rosoff，Directions on Microsoft]

　Microsoftは、2004年夏に開始した300億ドルの買い戻しを完了したことも発表している。また、2011年までにさらに200億ドル相当の株式を買い戻す可能性を示唆しているが、この計画は実施が確定しているわけではなく、詳細なスケジュールも発表されていない。

2007年度に膨らむ予算の内訳

　2007年度の財務予測について大きな変更はないが、予定経費についてより詳しい内容を公表している。

　第3四半期の収支報告において、Microsoftは2007年度予想経費としてほとんどのアナリストが想定していた額を24億ドルも上回る予想額を発表し、アナリストと株主を驚かせた。この発表の後、同社の株価は10％以上も下落した。

　第4四半期の収支報告において、Liddell氏はこの24億ドルの大まかな内訳を発表している。

• 販売費　当初予想より約9億ドル拡大。この増加分の内訳はWindows Vistaおよび2007 Microsoft Office systemのリリースに伴うマーケティング費用が4億5000万ドルと、これら2製品をはじめ新製品の販売部隊の増強に伴う営業費の押し上げ分が4億5000万ドルである。
• 研究開発費　当初予想より約10億ドル拡大。この増加分は、Microsoftビジネスソリューション部門（おそらく統合コミュニケーションプラットフォームの研究開発に充当）、ホーム＆エンターテイメント部門（このうちの一部は、おそらく提供が予定されているデジタルメディアデバイスのZune製品ファミリの研究開発に充当）、サーバ＆ツール部門、Microsoft Research間で均等に配分される。
• 管理費　残りの5億ドルは、MSN、Windows Live、Office Live、CRM Live（最近発表されたCRMホスティングサービス）などオンラインサービスの管理費である。

事業部別の売上および損益

事業部門	2006年第4四半期売上高	2006年第4四半期損益	2005年第4四半期売上高	2005年第4四半期損益	売上変化率
クライアント	$3376	$2504	$3014	$2183	12％
インフォメーションワーカー	$3133	$2150	$2944	$2011	6％
サーバ＆ツール	$3184	$1249	$2696	$814	18％
ホーム＆エンターテイメント	$1138	($414)	$587	($201)	94％
MSN	$580	($190)	$598	$101	-3％
MBS	$280	$38	$242	($84)	16％
モバイル＆組み込みデバイス	$113	($2)	$80	($15)	41％
企業全体その他	N/A	($1454)	N/A	($1820)	N/A
合計	$11804	$3881	$10161	$2989	16％

単位：100万ドル
　上記の表は2006年度第4四半期と前年度同四半期の事業部門別売上と損益を示す。右端の欄が2006年第4四半期の前年同期に対する売上変化率である。「企業全体その他」の欄は、法務費用、全般的なマーケティング費や管理費など、どの事業部門にも分類できない経費を表す。
　2005年度第4四半期の数字は、Microsoftが事業部門の再構築にあわせてそれ以前の業績を修正したため、変更されている。例えば、2006年第1四半期にMapPointがモバイル＆組み込みデバイス部門からMSNに移されている。
　業績数字はすべて、米国の一般に構成妥当と認められている会計原則（GAAP）に従って報告されている。表中の営業損益には、投資による損益や税金は含まない。