「ブログアクセサリー」にハマる人たち(2/3 ページ)

» 2006年08月04日 16時03分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 当初、新着記事や最新コメント、最新トラックバック、RSSフィード、そしてブログオーナーの自己紹介を表示する程度の役目しか持ち合わせなかったブログのサイドバーに、ブログアクセサリーが増殖していくのに、そう時間はかからなかった。

 「こうさぎ」も含めたブログアクセサリーのほとんどは、それ自体が多くのユーザーの支持を受けて広がっていった。いずれは何らかのメリットがあるのではないかと考えたとしても、多くのオープンソースソフトウェアの作者がそうであるように、最初はあくまでもツールの優位さを見せつけることが制作者の満足度の第一理由であったという。このようなものがあればよいな……、という思いから制作が開始され、完成したものをほかのユーザーに見せることでコミュニティーが広がっていったのだ。

 そもそも、Movable Typeなどのブログツールにしても、商用でなかったことと同じだろう。いったん商用ベースに乗れば、それら企業の宣伝力も加味され、一気に広まっていった。ブログというものが、ここ数年で飛躍的に認知度を上げたのも、その成果の一端だといえよう。

 結果として、ブログを彩り始めたブログアクセサリにも日の目が当たり、徐々に商用ベースへと広がっていくこととなった。

ユーザーマッチ型広告との関係、深まる

 現在の無料ブログサービスのほとんどは、広告収入から運営維持されている。そして、その広告はブログオーナーのブログに表示されるようになっている関係だ。しかし、ブログ内容と無関係な広告を表示してもクリックされる可能性は少なく、広告主の支持を得られないだろう。

 現在、ブログサービスのほとんどで採用されているタイプは、表示されているブログの内容を判断し、関連性の高い広告を表示するユーザーマッチ型広告となっている。Google AdSenseで知名度が高まったものだ。しかし、マッチング精度がかなりのウェイトとなる一方で、意外と当てにならないものも多いのが事実だ。実際、自分のブログやWebサイトにユーザーマッチ型と呼ばれる広告を貼り付けてみてみると分かるだろう。「何でこんな広告が表示されるの?」と思うこともあるのだ。それは、特定のジャンルだけにとどまらないブログであれば、いっそうギャップが大きくなってしまう傾向にある。

 広告配信企業も、いろいろとデータを集めながら、より表示内容に則した広告を出すように腐心している。

 そこで注目されたのがブログアクセサリーとの連携である。

 先にも触れたように、ブログアクセサリーの中で特に人気の高いキャラクター系は、ブログを投稿するとその記事内に書かれた言葉を覚えてしゃべるものが多い。「Blog Pet」のように、単にしゃべるだけでなく、ブログアクセサリー自体が覚えた言葉を駆使して記事投稿するものまであるほどだ。

 この覚えた言葉、キャラクターにしゃべらすだけではもったいない。事実、一部のブログアクセサリーでは、ここで覚えた言葉を広告の表示に利用するものまで現われた。いや、今後の動向としては、これが当たり前になっているのでは? と思われるほどだ。ブログオーナーがブログで書いた言葉は、企業から見れば大きな資産になる可能性を秘めているのだ。

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