Web2.0を支えるテクノロジーの一つ「Ajax」。聞いたことはあるけれど、どんなものか分からない。そんな疑問に答えよう。
Webにおける新たなテクノロジーやサービスを総称する「Web 2.0」。そのなかでも、JavaScriptを用いてリッチなユーザーインタフェースを提供する「Ajax」は、Webアプリケーションの作り方を変える技術の一つだ。
Ajaxの仕組みそのものは、それほど複雑ではない。しかし細かい処理をするためには、膨大なJavaScriptのコードが必要となる。そこでAjaxアプリケーションを作る場合には、Ajaxのクラスライブラリを使うのが一般的となっている。
このオンライン・ムックPlus「Web2.0で変わるWebプログラミングの常識」では、Ajaxの基本から各種クラスライブラリを使った次世代Webアプリケーションをどのように開発すればよいのか、解説していく。
Ajaxを利用すると、Web独特であるページを移動することで目的を達するインタフェースへ、PC上で使うローカルアプリケーションのような表現を与えることができる。動作の移り変わりが密に連携されることでユーザー体験がよりリッチになる可能性があるのだ。
まず簡単に、Ajaxとはどのようなもので、何を実現するものかを説明しておこう。
Ajaxとは、「Asynchronous JavaScript + XML」の略であり、ひとことで言えば、「JavaScriptによる非同期なXML通信を用いてデータをやりとりする仕組み全般」のことを示す。さらにひも解いていこう。
Ajaxという言葉が初めて使われたのは、Jesse James Garrett氏の「Ajax: A New Approach to Web Applications」という記事だ(関連リンク)。
この記事によると、Ajaxは次のように定義されている。
1. XHTMLとCSSによるWeb標準のプレゼンテーション
2. DOM(Document Object Model)による動的な表示と相互作用
3. XMLとXSLTによるデータのやりとりや変換
4. XMLHttpRequestによる非同期なデータの受信
5. 上記をJavaScriptで結びつける
Ajaxの主役となるのは、次の2つの要素だ。
1. XMLHttpRequestオブジェクト
JavaScriptでデータ通信するときに用いるのがXMLHttpRequestオブジェクトである。
Internet Explorer 6.0以前のバージョンでは、Active Xコントロールとして、そのほかのWebブラウザでブラウザ内蔵のオブジェクトで実装されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.