開発者コミュニティの威力に目覚める、MSのCodePlexが始動(2/2 ページ)

» 2006年08月21日 07時00分 公開
[Greg DeMichillie,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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 CodePlexチームは、社内の開発チームがひそかに破棄することをもくろんでいるツールやユーティリティの処分場としてCodePlexが利用されることがないよう、社内から投稿されるプロジェクトに対しては、エディトリアルコントロール(検閲)を実施している。社内発のプロジェクトは、顧客にとって価値があるプロジェクトでなければならず、プロジェクトを投稿したMicrosoftの開発チームが、責任をもってリーダーシップをとっていく必要がある。

 またMicrosoftは、新規プロジェクトの投稿を希望する社外の開発者に対しても一時的に査定を行うとしているが、サイトのオープンからしばらくの間に限られる。システムがいったん軌道に乗ったら、自由に新しいプロジェクトを投稿できるようになる予定だ。

 ただし、Microsoft社内からの同社製品を補完するプロジェクトへの参加については、制限される。また、CodePlexを利用してWindowsやOfficeなどの製品のソースコードの公開もしない見込みだ。これらの製品のソースコードは、同社のシェアードソースイニシアティブ(SSI)の特定のライセンスプログラムの下で認定されているユーザーやパートナーにのみ公開される。

コミュニティの力でプラットフォームを磐石に

 CodePlexはMicrosoft寄りではないプロジェクトも受け付けるが、同社の目的は、Windowsクライアント、Office、各種サーバ製品といった同社のコアプラットフォームに対する開発者の支持を高めることである。1990年代は開発者のほとんどがMicrosoftのプラットフォーム向けに開発を行っていた。しかし、それだけのシェアがありながらも、JavaやApacheなどそのほかのプラットフォームが登場した際に、開発者の流出を抑えることはできなかった。

 Linuxに代表されるオープンソースプラットフォームを支える開発者コミュニティの規模と威力を目の当たりにしたMicrosoftは、開発者コミュニティのフォーラムの持つ価値に気付いたのだ。

 Microsoftは、同社のプラットフォームをベースにしたソリューションを開発するだけでなく、プラットフォーム自体に寄与する開発者の活発なコミュニティの形成を願っている。それが、コア製品ではなく補完的なプロジェクトに対する寄与であっても、新たな競合となり得るプラットフォームに対抗する力を、コミュニティを通じて培いたい考えだ。

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