サイベース、金融機関の要望に応えたRDBの最新版を発表

サイベースはリレーショナルデータベースの最新製品として「Sybase Adaptive Server Enterprise 15」(ASE 15)の出荷を9月15日から開始すると発表した。

» 2006年08月30日 14時45分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 サイベースは8月30日、都内で記者発表会を行い、同社のリレーショナルデータベースの最新製品として「Sybase Adaptive Server Enterprise 15」(ASE 15)の出荷を9月15日から開始すると発表した。クエリ処理技術が改善され、パフォーマンスが向上していることが特徴となっている。

 新製品のASE 15で新たに加わった機能として、サポートするデータベースの容量がギガバイト単位からテラバイト単位まで拡張したことが挙げられる。1つのデータベースで32テラバイト、サーバ全体では1000ペタバイト以上の容量にも対応できるようになった。また、1つのサーバに割り当てられるデバイス数が無制限になったこと、大きなテーブルを分割して利用するパーティション機能が加わったことも紹介された。

 セキュリティ面では、クライアントとサーバ間のSSL暗号化によって送信データが保護されるようになったこと、LDAP認証のサポートにより複数のサーバ管理が容易になったこと、Kerberos認証がサポートされたことなどが伝えられた。これにより、ユーザーはパスポート番号や社会保険番号などの重要な個人データを暗号化して処理できるようになる。

 冒頭、早川典之社長は同社のワールドワイドでの業績の状況に触れ、「2005年度の収入は8.2億ドル、ライセンス売上げは2.9億ドルである。また、2006年第2四半期のライセンス売上げは前年同期に比べ22%の伸びとなり、堅実な経営を続けている」と話し、ビジネスの好調ぶりをアピールした。

ASE 15を利用することにより、TCOの大幅な削減が実現できると話す早川氏

 同氏は「ASE 12を出した時点で、主なユーザーである米国の金融機関は基本的に満足していたため、ASE 15のリリースまで時間が掛かった。だが、この2年ほどでセキュリティ、パフォーマンスなどへの要望が高まったことが、ASE 15の開発につながった」としている。

 同社の基本的なビジョンは「アンワイヤードエンタープライズ」で大きな変化はない。引き続き、リレーショナルデータベースに加えて、モバイル製品、分析エンジンなども提供することで、ユーザーがデータを最大限に活用し、ビジネス上の価値を提供するためのインフラを提供していく考えだ。

 Sybase ASE 15のライセンス価格は、WindowsおよびLinux版はプロセッサ・コアあたり62万4000円から、UNIX版は149万9000円からとなっている。IBM、EMCをはじめとした各パートナー企業などを経由して販売していく。

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