vProで管理者の悩みに包括的に応えます――インテル

インテルの企業クライアントPC向けの新プラットフォーム「vPro」では、ハードウェア的にネットワークフィルタなどが搭載される予定だ。

» 2006年09月08日 16時17分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 インテルは9月8日、米国での発表に合わせ、企業クライアントPC向けの新プラットフォーム「vPro」を中核とした、エンタープライズ向けの取り組みに関する説明会を開催。10月に予定している日本での正式発表前に、そのあらましを明らかにした。

 同社が新ブランドとしてvProを発表したのは2006年4月のことだ。管理性を高める「Intel Active Management Technology(Intel AMT)」をはじめとする技術を通じて、TCOの増大やセキュリティ対策といった企業のIT管理者が抱える課題を「包括的に解決する」(インテルのマーケティング本部、ビジネス・クライアント・プラットフォーム・マーケティング部部長の廣田洋一氏)ことがその目的という。

インテルマーケティング本部、ビジネス・クライアント・プラットフォーム・マーケティング部部長の廣田洋一氏

 廣田氏によればvProでは、性能の向上や省電力といったプロセッサそのものの強化に加え、「ハードウェア的にネットワークフィルタを搭載し、PCとネットワークの間のパケットのやり取りを監視する」(同氏)ことが可能になる。ハードウェアレベルでパーソナルファイアウォールを搭載することで、ウイルス/情報漏洩対策を図る仕組みだ。

 Intel AMTではほかに、ネットワークにつながれているハードウェア/ソフトウェア資産の検出、管理が可能だ。また、OSのパッチやウイルス定義ファイルの統一化、アップデート補助といった機能もサポートされるという。

 もう1つのメリットは、クライアントPCでハードウェア的な障害が発生した場合でも、リモートから診断と対応を行えることだ。PCの運用管理コストのうち、障害時のオンサイト対応やサポート要員の常駐に起因する部分は無視できない比率を占めるが、Intel AMTを利用すれば、ダウンしたクライアントPCのトラブルシューティングをリモートから実施できる。

 「こうした機能の一部は今でも実現できているが、基本的にはソフトウェアベースで実装されている。このため、ソフトウェア自体が動作していない環境ではどうしようもない」(廣田氏)。

 廣田氏はさらに「vProは、ハードウェアを組み合わせて、今のソフトウェアベースのソリューションを強化するもの」だと述べた。

 vProではほかに、仮想化技術の「Intel Virtualization Technology」も実装される。情報漏洩に備えてインターネット用とイントラネット用、2台のPCを使い分けているような環境で、ハードウェアを1台に集約することが可能になるという。

vProの構成要素。vProはこれらに関連ソフト/ソリューションやサービスを組み合わせた「プラットフォーム」だという

 vProは、デュアルコアプロセッサの「Core 2 Duo」とギガビット対応の「82566DM」ネットワークコントローラ、「Intel Q965」チップセットといったIntelが提供するコンポーネントのほか、パートナー各社が提供するソフトウェア/インテグレーションサービスから構成される。すでに日立製作所米HPなどが、vPro対応の企業向けPCの投入を発表している。2007年には、ノートブックPCについても同様の技術を適用していく計画だ。

 米国では、HP OpenViewやCA、LANDeskといった運用管理ツールベンダーやSymantec、TrendMicroなどのセキュリティ企業が協力を表明。こうした米国でのパートナーだけでなく「ローカルのISVやコンサルティング企業、システムインテグレータについても同様にサポートしていく」(同社マーケティング本部本部長の阿部剛士氏)という。

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