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» 2006年09月14日 08時00分 公開

多様な提供形態をとる空間情報システム――ジクー・データシステムズ地図情報がビジネスチャンスを見つけ出す! 第4回

地図情報の王道であるGISを切り口に、先進的なベンダーの戦略を紹介しながら、現在と今後の地図情報の活用のあり方を見ていく。今回は2Dや3Dの大容量空間データを独自のフォーマットで格納する技術を持つジクー・データシステムズのサービスを紹介する。

[ロビンソン,ITmedia]

 三菱商事が100%出資して2002年に創業したジクー・データシステムズは、位置情報や空間情報をIT的な観点から扱うビジネスモデルを事業の柱としている。テクノロジー部分では、オラクルをコアにしているところが最大の強みだが、アプリケーションサーバ層はJ2EEベースのモジュールをスクラッチから作るなど、GISの国産エンジンとしては珍しい位置付けとなっている。現在は携帯電話事業者や放送、官公庁などに向けた分野に注力しているが、データ放送やワンセグなど、映像に地図が活用できる分野での取り組みも多い。2006年3月にCBC(中部日本放送)と行った試験放送では、ワンセグに向けた地域情報を松坂屋と協同で配信した。データ放送と位置情報をマーケティングに連動させることで、顧客を店舗に送り込む送客効果を確認した。

 同社の特徴は、データベース集約型の空間データ専用プラットフォーム『Quadrix(クアドリクス)』を自社で開発し、それをコアにシステムの企画、設計、開発、構築、保守に至るシステムインテグレーションを提供していること。このQuadrixは、2Dや3Dの地図、航空・衛星写真などの大容量の空間データを、独自のユニバーサルフォーマットで格納して、種類を問わず統一的に扱うことができる。活用例では、昭文社の会員向け情報配信地図ソフト『マップルオンライン』や地図検索サービスの『ちず丸ASP』などがある。

ジクー・データシステムズ「Quadrix」の活用例。昭文社「Mapple OnlineLight」と「ちず丸ASP」にて利用中。2005年11月より商用サービスを開始している

 同社事業戦略ユニットマネージャーを務める吉成雄一郎氏は、「従来の地図情報は特定の業務部門だけが利用していたマニアックなシステムでしたが、現在はオープンアーキテクチャでインターネット経由でも利用できるようになってきており、地図利用のリテラシーも向上し、携帯電話などで地図情報を利用したいという要望も増えてきている状況です」と語る。

 また、2004年12月に日本で初めて自治体のコンタクトセンターにGISを活用した例もある。埼玉県東松山市のコールセンター『市民の声システム』に、SAPのCRMとQuadrixを統合し実現した。GISとの連携によってシステム上で正確な位置を把握でき、具体的な地点の情報を介して市民との対話や地域的分析が可能となったという。

 「今後は、最終的に得たい情報のガイド役に地図情報が重要な役目を持つようになるでしょう。業務の一環で地図がどのように使えるのかが注目される中、地図の専門家に期待がかけられています。当社の軸は、空間情報というビジネスフィールドのプロフェッショナルであり続けること。そして、地図利用の効果を啓蒙することが私たちの使命と考えています」(吉成氏)

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