Gentooインストール体験記Super Review(3/4 ページ)

» 2006年09月25日 11時07分 公開
[Joe-Barr,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

移行の開始

 移行を開始したのは月曜日の正午ごろで、Gentooの伝統と思想を尊重して、OpenOffice.org以外のほぼすべてのアプリケーションはコンパイルの段階からインストールを試みようと決めた。この日はちょうどレイバーデイの祝日で、翌日の仕事が始まるまでにはほぼ24時間あった。

 GentooのLiveCDは、わたしの仕事用マシンのビデオカードとの相性が悪かったらしい。ブートすると、テキストの表示が画面の横方向およそ4分の3の位置で始まり、画面の左端からその続きが折り返し表示されるのだ。GUI画面になっても、同じように表示がずれてしまう。だが、モニタの自動画像調整の機能を使うことで、正しい表示に設定し直すことができた。

 インストールには、GRPの追加パッケージ群を利用するStage 3を選択した。ところが、先に進もうとしてもインストール作業を再開できない。インストーラにStage 3のtarballの取得先を指示していなかったからだった。取得先が分からなかったので、#gentooチャンネルにアクセスした(その後もこのインストールが終わるまでそこにいた)。LiveCDからのインストール途中でもインターネットの参照やチャット、ゲームが行えるため、インストールを中断せずに済み、またIRCチャンネルにいた親切な人からtarballのURIを教えてもらえたのは幸いだった。

 Portageツリーのスナップショット版を選択したわたしは、make configの設定をデフォルトのままにして次に進んだ。続いてLiveCDのカーネルの選択を開始した。インストーラの説明によると、その方がシステムの起動および実行が速くなるという。ところが、カーネルソースを必要とするパッケージがどれもインストールできないことに気づいた。そこで、ソースコードからカーネルのフェッチおよびビルドを行うことにした。

 kernel-configオプションは空白のままにしておき、ブートローダにはGRUBを選択して、GRUBは/dev/hadのマスターブートレコード内にあると指定した。また、ネットワークインタフェースデバイスとしてeth0を選択し、ネットワーク設定をDHCPとした後、cron処理とログ出力についてはデフォルト案を採用した。表示されたExtrasメニューからは、GNOME、Xorgのほか、幾つかの追加パッケージを選択した。

 こうして本格的にインストールが始まると、しばらくわたしは麻雀ゲームにうち興じた。そのうち麻雀にも飽きたので、Gentoo FAQを拾い読みしていると、質問の1つに「Gentooはインストールがあまりに難し過ぎて泣きたくなります」と書かれているのが目に入った。その回答には 「/dev/nullでもご覧になってください」と記されていた。

 そうこうしているうちに午後5時30分になり、Gentooインストールの進み具合をチェックしたところ、474パッケージのうち120 が完了していた。もちろん、パッケージによってはほかのものよりインストールに時間が掛かるものもある。例えば、Xlibは大物だったようで、そのインストールが1時間前に終わってからは別のパッケージ20個のコンパイルおよびインストールが完了していた。そして午後9時になっても175のパッケージしか完了していなかった。この日のうちにインストールを終えたいというわたしの望みは絶たれた。

インストール失敗

 翌火曜日の午前7時30分、Gentooは326番目のパッケージを処理しており、インストールはまだ続いていた。数時間後、コンパイルが始まってほぼ24時間が経過したところで、media-libs/zlib1.1.3.r2がコンパイルできなかったというメッセージが出てインストールに失敗した。最初は、これまでの結果がすべて無駄になるかと思われたが、FAQやIRCチャンネルによれば――resumeオプションと――skip-firstオプションを指定することでemergeの実行を再開できることが分かった。ただし、emergeにはほかの考え方もあり、それによると再開はできないとなっていた。

 成功を祈りながら、はじめてHDDからのブートを試みたところ、このブートはうまく行ったので、rootとしてログインした。というのも、インストール中にユーザーアカウントを追加しようとして失敗していたからだ。続いてGNOMEのユーザーおよびグループマネジャーを使ってユーザーの追加を行い、rootをサインオフして一般ユーザーとしてサインインし直した。

 最優先ですべきことは、IRCで同僚とやり取りできるようにXchatをインストールすることだった。この日午後の残った時間は、満ち足りた気分でGentoo上であれこれとインストールを行い、サウンド機能を動作させ、X環境の調整を行った。ここまでは順調だったのだが、この後でNvidiaドライバをインストールしようとしたのがいけなかったようだ。とにかく、そのせいでX環境はわたしの手には終えないほどに破壊されてしまったのだ。IRCチャンネルからの声は同情的だったが、何が原因でそうなったのかが明確でなかったため、彼らがこの問題を解決することは現実的には不可能だった。午後5時を過ぎたところで、わたしは悔しさをこらえながら再インストールを決意した。

 後から思えば、あの問題の原因は/etc/make.confのキーワードを~X86に設定していたことだったのではないかと考えられる。この設定を、Portageは不安定版のコードを使ってもよいと受け取ったのだ。わたしがその設定を変えたのは、インストールしたかったパッケージの1つでそうする必要があり、1つのパッケージの中でテスト版/不安定版のコードを許可するための適切な方法を知らなかったからである。その方法を知らなかったがために大きな犠牲を強いられたわけだ。

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