Gentooインストール体験記Super Review(4/4 ページ)

» 2006年09月25日 11時07分 公開
[Joe-Barr,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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Gentooインストール:2回目の挑戦

 2回目の状況は、1回目とはかなり違っていた。インストールを開始する前に、ホームディレクトリ全体を保存できるようにプライマリーのHDDからセカンダリーのHDDに移しておいた。システムがクラッシュする前に何としてもやるべきことの1つに、電子メール、チャット、ブラウザについて設定およびデータのセカンダリーディスクからのリカバリがあったからだ。

 またスピードを重視し、できる限りGRPのバイナリパッケージを選択するようにした。1時間と少し経ったところで、データを失うことなくシステムを再び動作させることができた。モニタの解像度は適切なものではなかったが、前回のX環境の調整で起こったことを考えると怖くなって、なかなか設定を変える気になれなかった。

 その後数日間は不適切な解像度のままで我慢しながら、Ubuntuを利用していたときと同じ機能性を一刻も早く取り戻すべくシステムのインストールと調整を続けた。そしてついに、解像度の問題の解決を試みることに決めた。

 モニタの設定を変えるとすぐに、実際にはそんなことはなかったのだが、周波数が「範囲外」だというメッセージが出てX環境が再びクラッシュし始めた。さらに悪いことに、シングルユーザーモードでのブート方法が分からず、GRUBのメニューにもシングルブートのオプションしか含まれていなかったため、GDMが起動して何も対策を講じることができないうちにクラッシュしてしまった。

 GRUBのブートコマンドを編集していろいろな形で試してみたが、正しい解決策はとうとう分からずしまいだった。そこで、正しく機能するXorg.confファイルをLiveCDからHDDに単純にコピーして使ってみることにした。LiveCDのブート後、HDDドライブをマウントしてXorg.confファイルをコピーし、そのHDDからリブートすると……やった、うまく行った!

 ところが今度はサウンド機能が再び動作しなくなっていた。

 これがGentooへの移行を断念するとどめの一撃になった。持てるすべての時間をGentooに費やしたが、それが完全に徒労に終わってしまった。わたしはこの大規模な移行を中止し、Gentooは単純に自分には向かないのだと認めた。

Gentooに向いているのは?

 約1時間後、わたしのマシンからGentooは姿を消し、代わりにDebian Etchが入った。正常に動作させるのに5分、プリンタの設定にも5分かかったが、モニタの解像度の問題は起こらなかった。まだ調整すべき項目は少し残っているものの、今やシステムの状態はあらゆる点でUbuntuを走らせていたころとほとんど同じところまで到達している。

 Gentooとわたしの相性が良くなかったのはなぜだろうか? インストール中に起こったすべての問題はわたし自身に非があるのだというGentooユーザーもきっと何人かいるだろう。そうした人々のためにあらかじめ断っておこう。確かにその通りだ。もしわたしにGentooギークに負けないくらいの知識があれば、あのような問題に遭遇することは決してなかっただろう。悪いのはわたしだ。

 Gentooは評判が良く、強力で、精巧に作られたギーク指向のディストリビューションである。細部まで自分の手でコントロールしたいという人には、Gentooがその手段を提供し、その望みが叶うように幸運を祈ってくれるだろう。どれほどの幸運が必要かは、本人がどれだけGentoo のことを知っているかによって変わってくる。しかし、わたしの場合はただ単にGentooに向いていないのだ。優れたプログラマーもそうだが、わたしは不精者だからだ。かつてはカーネルのコンパイルを行った翌朝はコーヒーをすすりながらその話を誰かに聞かせるのが楽しみだった。ところが最近は、オペレーティングシステムの世話をするよりもそれ以外のことにマシンを使いたいというのが正直な気持ちだ。

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