産経新聞グループが運営する新しい形の情報サイト「iza(イザ!)」。これまでの新聞メディアでは考えられなかった、読者参加による情報の双方向性を目指す同サイトを支える記事編集システムは、実はSOAによって実現していた。
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新聞業界にはいま、大きな変化が訪れている。新聞の発行部数は世界的に減少する傾向にあり、各新聞社には何らかの対策が求められているのだ。対策の1つの方向性として、新聞本来の価値である「ニュース」を新聞紙面だけでなくインターネットやほかのメディアに再利用、二次利用し、いかに拡大できるかといった、新たな情報パッケージが求められている。
これまでは、ニュースを読者へ一方通行で流すだけだったが、読者との双方向性が確保できるブログなどの出現で、新しい多様なメディアの活用が始まっている。これが、まさに新聞の進化といえる「新聞2.0」である。この方向を目指し変革に動いているのが、産経新聞グループだ。2006年6月よりスタートした、ユーザー参加型のニュース情報サービスの「iza(イザ!)」は、その動きを象徴するまったく新しいタイプのWebメディアだ。
産経新聞グループにあって、この新たなメディアの活用の基盤を支えているのが、産経デジタルだ。産経新聞社から独立、2006年2月にスタートして以来、izaをはじめとして、本紙に連動する「産経Web」、スポーツ新聞と連動する「SANSPO.COM」、夕刊フジと連動する「ZAKZAK」、ビジネス媒体の「Fuji Sankei Business i. on the web」といった、性格の異なる複数のWebメディアを運営している。
「1996年4月にいち早くZAKZAKを始め、その年の5月には産経Webを公開した。当時記事はすべて手張りで掲載しているような状況だった。その後、各媒体独自の編集システムが構築され、すべてをシステム部で把握することが困難な状況に陥っていた。izaを立ち上げるにあたり、複数の新聞からニュースを集め、修正して再利用するのがこのままでは困難と判断し、記事を一元管理して二次利用できる編集システムの再構築が急務となった」と語るのは、産経デジタル システム部部長の脇 雅英氏。
新聞記事の編集システムは、新聞社にとっては24時間365日稼働する基幹システムだ。当然ながら高い信頼性も求められる。同時に、システムのユーザーは編集の現場にいる多くの記者であり、必ずしもコンピュータの操作に精通しているわけではない。基幹系の信頼性、可用性およびユーザーの利便性が、まずはシステムの要件となる。
さらに、新サービスizaの価値は双方向性であり、複数の媒体をミックスしたニュースの提供がある。情報をミックスさせることで、その価値を高めようというのだ。これらも新たなシステム要件だ。
また、記事コンテンツを二次利用、再利用するためには、権利関係管理などまったく新しい要件も発生する。さらに、複雑で孤立化した各紙の編集業務フローを標準化、スリム化することも目的となった。当然、izaなどは一般に公開され不特定多数がアクセスするサイトであるため、セキュリティ対策も万全にする必要があった。
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