米Intel、4コア攻勢を開始(1/2 ページ)

IDFで同社幹部は、クアッドコアチップを、2コアバージョンとほぼ同価格で提供することで、最新の半導体技術がサーバ分野で急速に普及すると語った。

» 2006年10月03日 15時41分 公開
[John G. Spooner,eWEEK]
eWEEK

 米Intelは、11月に投入予定のクアッドコア(4コア)型「Xeon 5300」サーバプロセッサでは、2個のコアを基本的に無償で提供する考えだ(関連記事)

 サンフランシスコで開催されたIntel Developer Forum(IDF)で同社幹部は9月26日、「1個のチップに4つのプロセッサコアが含まれるクアッドコアチップを、2コアバージョンとほぼ同価格で提供することによって、当社の最新半導体技術がサーバ分野で急速に普及するものと期待している」と述べた。

 Intelの幹部によると、同社は新しいクアッドコアXeonプロセッサのデザインと能力に自信を見せているという。しかし早期の普及を促進するために、同チップのパフォーマンス(Xeon 5300は、現在のデュアルコアチップ「Xeon 5100」と比べて50%の性能向上を実現)に加え、既存のサーバプラットフォームに搭載可能であること、そして消費電力を現在と同水準に抑えることができる、というメリットをアピールする考えだ。

 Intelのデジタルエンタープライズグループのゼネラルマネジャーを務めるパット・ゲルシンガー氏は9月26日、IDFのキーノートスピーチで、「当社は年末までに、これらのクアッドコアチップを数十万ユニット出荷する予定だ。ライバルが競合チップの提供を開始する前に、100万ユニットを出荷するつもりだ」と述べた。

 Intelは11月にXeon 5300プロセッサの出荷を開始する予定であり、同チップによる当初のクロックは2.66GHz。

 Intelのサーバプラットフォームグループのゼネラルマネジャー、カーク・スコーゲン氏はIDFでのインタビューで、「Xeon 5300にはプレミアム価格を設定しない」と述べた。Intelでは、同プロセッサがいずれ、同社のサーバプロセッサの出荷数の約40%を占めるようになると考えている、と同氏は付け加えている。

 スコーゲン氏によると、Intelが最初に投入するXeon 5300チップは、デュアルコアのXeon 5100と同じ80ワットのパワーエンベロープに収まるが、同社は120ワットの高性能版も提供する予定だという。Xeon 5300のフロントサイドバス(プロセッサとデータをやり取りするためのバス)の速度は、1066MHzもしくは1333MHzとなる。

 Intelは2007年第1四半期に、低消費電力用途向けに50ワットのクアッドコアXeon 5300チップを追加投入する計画だ。

 しかし「Clovertown」のコードネームで呼ばれるXeon 5300を早期に投入するために、Intelは妥協を強いられたようだ。同社は、特殊なパッケージング技術を使用して2個のデュアルコアXeon 5100チップ(コードネームは「Woodcrest」)を結合することによって、4コアチップを製造する。クロック速度をわずかに下げて、電力消費と発熱を低減することで2個のデュアルコアプロセッサを1つのパッケージに収めることが可能になる。

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