沖電気工業は、中小規模オフィスを対象とした新型IPビジネスホン「IPstage MX」と「IPstage SX」を発表した。
沖電気工業は10月12日、100ユーザー以下の中堅、中小企業を対象とした新型IPビジネスホン「IPstage MX」と「IPstage SX」を発表した。これまで主に中〜大規模システム向けに展開してきたIPテレフォニーシステムを、中小規模オフィスにも拡大していく。
IPstage MX/SXは、中小企業向けにIP電話環境を提供するビジネスホンシステム。着信応答や転送、発信といったビジネスホンとしての基本機能をIPネットワーク上で実現し、通話コストの削減を実現する。また、ソフトフォン「Com@Will」を通じてメールやCRMなどの業務アプリケーションと連携することで、業務効率の改善にもつながるという。
同社情報通信事業グループIPシステムカンパニープレジデントの坪井正志氏は新製品を、IPテレフォニーサーバ「SS9100シリーズ」の機能や中規模システム向けのIP-PBX「IPstage EX300」の安定性、これまで提供してきたIPビジネスホン「Office Stage」の使いやすさを兼ね備えた製品だとしている。
中でも大きな特徴は、NGN(Next Generation Network)やFMC(Fixed Mobile Convergence)を視野に入れた機能をサポートしている点だ。「NGNやFMCの時代は、(大企業もさることながら)むしろ中小規模の企業にとってメリットが大きい」(坪井氏)。
具体的な機能の1つが、従来の電話網に加え、NTT東日本/西日本が提供する法人向けIP電話サービス「ひかり電話ビジネスタイプ」の直収に対応していること。今後、ほかの通信事業者が提供する法人向けIP電話サービスにも対応していくという。
また、NTTドコモの「N900iL」やKDDIの「E02SA」といった無線LANデュアル端末を収容し、モバイルセントレックス環境を実現できる。オフィスの内と外とで別々の端末を使い分けることなく、1つの番号で相手を呼び出せるうえ、内線の通話料金の圧縮にもつながる。
もう1つのメリットは、ソフトフォンを通じて「Microsoft Outlook 2003」やMicrosoft Dynamics CRM」、イリイが提供する「BIG顧客管理Pro」といったアプリケーションと連動できること。Outlookの画面上からLDAPを介して電話番号を検索し、通話やテレビ会議を行うといった使い方が可能になる。今後もパートナープログラムを通じて対応アプリケーションを拡大していく方針だ。
さらに、専任の管理者がいない環境に備え、障害時の対処を容易に行えるようにした。あらかじめUSBメモリにシステムデータを保存することで、トラブル時には別途コンソールなどを用意することなく、USBメモリを本体に差し込むことで対処できる。またインタフェースもWeb化し、より分かりやすくした。
IPstage MXとIPstage SXは機能面では同一で、違いは収容回線数のみ。それぞれ100内線以下、30内線以下のオフィスに対応している。価格は、Pstage MXが50内線モデルで280万円から、IPstage SXは10内線モデルで71万円から。
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