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» 2006年10月17日 08時00分 公開

ガバナンスの改革は東高西低の傾向――自治体経営の現状驚愕の自治体事情(2/3 ページ)

[西尾泰三,ITmedia]

東高西低のなぜ? 本当に改善すべきもの

 調査結果を地域別に見ると、関東、中部、関西の大都市圏が比較的高い結果となっているが、三大都市圏で見てみると、中部圏の都市である多治見市と浜松市が上位10位以内に入っているものの、関西地域からは上位20位に入っている団体はない。三大都市圏以外では、11位の青森市、17位の甲府市、政令指定都市である横浜市と浜松市(移行予定)のみが上位20位以内であり、調査結果からは、東高西低の傾向がうかがえる。

 東高西低という結果となった今回の調査だが、特に、関西の平均的なスコアの低さについては、大都市圏であるにもかかわらずの結果であるため、注目すべきポイントであるといえる。同リポートでは、その理由について、財政状況が一因となっているとしている。つまり、ひっ迫した財政状況が、歳出削減や職員定数の削減など量的な改革課題を優先し、質的な取り組みといえるバナンスに関する改革の優先順位を下げているのではないかという指摘である。

 今後、高齢化社会の到来により、どの自治体も例外なくかつて経験したことのない厳しい財政運営を余儀なくされる。行政コストの圧縮が急務である自治体においては、その解をITに求める向きも少なくない。しかし、ITがツールであることを理解していれば、本当に改善すべきは業務であることは明らかである。業務の改善によって全体として最も簡素かつ効率的な自治体運営が可能になり、結果としてコスト削減につながるのだという発想に立つ必要がある。

 しかし、同調査の質問項目のうち、総合計画や財政情報の開示など、形を整えていくことで一定の評価を得られる項目に比べると、予算編成や行政評価など、行政運営に質の変化が問われている項目は比較的スコアが低い傾向があった。このことは、改革において外形から入ることは容易であるが、それが一定の効果を発揮し、改革の実をあげることは難しいことを示唆していると結論付けている。

 さらに同リポートでは、行政評価のように新しく自治体に導入され、社会から注目される項目のスコアに比べて、監査制度や予算編成など、従来型の行政運営システムについてのスコアが高くないことについて、自治体の改革が注目される分野に偏りがちであると述べている。

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