Applications Unlimitedプログラムで重要となってくるのが、個々のアプリケーションを使い続けながらも、相互にプロセス統合できる機能だ。各アプリケーションがWebサービスリポジトリを搭載したり、BPEL Process Managerとの連携を認証するのはそのためだ。
ウーキー氏のキーノートでは、E-Business Suite、Retek、Siebelのさまざまな機能をBPEL Process Managerによって一連のプロセスとして統合することによって、小売店の販促キャンペーンで欠品が出てしまった事態にも迅速に対応し、適切な手が打てる様子がデモされた。在庫のある店舗から欠品の出た店舗へ商品を移動する際には、Google Mapの機能も呼び出し、最適化されたルートを地図表示してみせている。
Applications Unlimitedプログラムを継続する一方で、Oracleは2008年に「Oracle Fusion Applications」を投入することも約束している。最先端の技術を活用し、アプリケーションがもたらす「ユーザー体験」(使い勝手やコラボレーション)や「オーナーシップ体験」(配備に伴うコストやリスクの低減)、さらには「パートナーの体験」(統合の容易さ)も劇的に改善していくのが狙いだ。
ウーキー氏は、そうした技術として、「Web2.0」や「SOA」(サービス指向アーキテクチャー)を挙げ、標準技術を業界に先駆けて取り込んでいるOracle Fusion Middlewareの重要さも強調した。
ステージでは、前日の24日、Fusion Middlewareのコンポーネントとして追加された「Oracle WebCenter Suite」を活用していくことで、将来どんなユーザー体験が提供できるようになるかが紹介された。
下の画面は、Fusion Applicationsの機能をWebサービスによって呼び出し、主要業績指標のグラフやお知らせなどを表示してくれる便利なツールだ。Windows Vistaのガジェットとして実装されていけば、アプリケーションのユーザー体験は大きく変わる。
上の画面は、OutlookとFusion Applicationsがうまく連携している様子だ。顧客からの見積もり依頼に対して、Fusion Applicationsのサイドペインに表示されるガイドや情報に従って、営業マンが迅速かつ効率良く見積書を作成できるという。見積書は、Fusion Applicationsの機能にアクセスするサイドペインがひも付いた状態で送ることもできる。電子メールで見積書を受け取った顧客は、サイドペインからログインし、担当者とチャットしたり、さらに詳しい情報にアクセスできるというわけだ。
「Web2.0は、ユーザー体験を大きく変えようとしており、次世代アプリケーションへの期待は高まっている」とウーキー氏は話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.