Gaim 2.0の初見レビューSuper Review(2/4 ページ)

» 2006年10月27日 08時00分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

Gaim 2.0の変更点

 Gaimのサポートするプロトコルの一覧には、2.0シリーズになって少し変化が見られる。Gaim 2.0は引き続きAIM、Yahoo!、MSN、Groupwise、IRC、Zephyrをサポートしているが、Gadu-GaduとNapsterはデフォルトのサポート対象から外されている。GaimのFAQには、担当のメンテナがGaimチームにいないのでGadu-Gaduの正常な動作を維持するのは難しく、「手に負えなくなった」場合にはデフォルトのビルドから除外される可能性があると記されている。Gadu-GaduをサポートしたGaimを自らの手でビルドすることは可能だが、デフォルトでは用意されておらず、Fedora CoreとUbuntuのどちらのビルドにも含まれていなかった。またGaim 2.0には、QQ、Simple(SIP)、Sametimeの各プロトコルのサポートが追加されている。

 Gaim 2.0の見た目は1.5から大きく変化している。もともとGaimのインタフェースはAOLのAIMクライアントにかなり近いものだったが、今回は独自の外観になっている。Gaim 2.0をはじめて立ち上げると、「Buddy List(仲間リスト)」ウインドウと「Accounts(アカウント)」ウインドウが表示される。アカウントを定義した後は、「Buddy List」ウインドウだけが起動時に表示される。最初のログインウインドウが姿を消しているのは、Gaimでは前回の終了時に使っていたサービスに対するサインインが自動的に行われるからだ。

 「Accounts(アカウント)」ボタンは、Gaimツールバーの一番上のメニュー項目に移動している。それぞれのアカウントに個別のメニュー項目があり、各項目には、アカウントに関連づけられたプロトコルによって決まるオプションを示すサブメニューが付いている。アカウント情報のGaim内部での編集やアカウントの有効/無効の設定を行う標準のメニュー項目のほか、IRCアカウントではサブメニューから「Message of the Day(MOTD)」を表示でき、Jabberアカウントではパスワード変更のメニュー項目があり、AIMアカウントでは連携用の電子メールアドレスを変更できる、といった具合だ。

 また「Preference(設定)」ダイアログは完全に作り直されており、前よりもかなり良くなっている。以前のレイアウトは少し分かりにくかったが、今回はタブ付きのダイアログになっている。このダイアログの方がずっとユーザーフレンドリであり、探しているオプションも簡単に見つかる。

Gaim 2.0 preferences dialog Gaim 2.0の設定ダイアログ

 「Preference」ダイアログに含まれていた「Plugins(プラグイン)」関連の部分は、専用の設定用ダイアログに姿を変えている。それぞれのプラグインに有効/無効を切り替えるトグルボタンが存在し、追加の設定があるオプションには「Configure Plugin(プラグインの設定)」ボタンが用意されている。

 Gaim 2.0にはよく知られたプラグインがそろっており、その大半は1.5シリーズでも利用可能だったものだ。なお、Log Readerは新しいプラグインで、これを利用するとIMログをAdium、MSN Messenger、Trillianから読むことができる。Linux以外のプラットフォームを使っていてGaimに乗り替えようとするユーザーには便利なプラグインだろう。

 わたしが愛用しているプラグインの1つがPsychic Modeである。幾つかのネットワークでは、誰かが自分宛てのメッセージを入力し始めると、最初のメッセージが書き終わらないうちにこのプラグインが通知してくれるのだ。この機能は「メッセージ入力中に仲間に通知(notify buddies that you are typing to them)」オプションを相手側が有効にしていなければ働かないが、ほとんどのIMクライアントではこのオプションがデフォルトで有効になっているらしく、多くの人はわざわざ設定を変更する必要はない。知人が自分宛てのメッセージを書き始めると、Gaimがそのスクリーンネームと「胸騒ぎがします(You feel a disturbance in the force.)」といったメッセージを記したチャットウインドウをポップアップ表示してくれる。幼稚に思われるかもしれないが、わたしの場合は、技術に疎い知人がわたし宛てのメッセージを書き終わる前に先手を取ってメッセージを送るという遊びを楽しんでいる。最初は相手もそんなこともあるかと不思議がる程度だろうが、3日も4日も続ければきっと不気味に思う人が出てくるはずだ。

 Gaim 2.0で気に入っているもう1つの機能が、受信メッセージのフォーマットを無効にできる点だ。フォントのサイズと色をほとんど読めないようなものに変更してAIMを使っている数人の仲間とチャットしたことがある。それはまるで、ボソボソとつぶやいている人と音質の悪い携帯電話で話をしようとするようなものだ。「受信メッセージのフォーマットで表示(Show formatting on incoming messages)」オプションを無効にすることで、こうしたフォーマットの問題は解消される。

 さらに、今回のバージョンではファイル転送機能も改善されているようだ。以前、Gaimを使ってAIMのネットワーク上にいる仲間との間でファイル転送を試したときには、まったく機能していないように見えた。だが、今回はファイル転送がうまく機能しているようだ。2つのAIMアカウントに同時にログインして幾つかのファイルをやり取りした後、今度はWindowsのAIMクライアントを使っているAIMネットワーク上のユーザーとファイル転送を試してみた。どちらの場合も、問題なくファイルを送ることができた。

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