Gaim 2.0は、1.5シリーズを全体的に改善したものにはなっていない。2.0における変更点のほとんどは納得できるものだが、新しいステータスシステムがどうにも気に入らない。わたしの場合は、AIM、3つのJabberアカウント、IRC、それにYahoo!のIMネットワークへのサインインにGaimを使っており、IRCとJabberアカウントの1つは仕事用、AIM、Yahoo!、残り2つのJabberアカウントは個人的なやり取りに利用している。つまり、IRCは利用するけれど、AIMとわたし的なJabberアカウントでは「不在」にしたいときがあるのだ。
Gaim 2.0では、直観的に分かりづらい「何にでも使える」ステータスマーカを利用している。カスタムのステータスメッセージを作成することでアカウントごとにステータスを設定できる。だが、この設定方法は少し分かりにくく、ユーザーは必要以上の負担を強いられることになる。Gaim 1.5.xではきわめて直接的な方法で各アカウントにステータスを設定できたので、それが踏襲されなかったのが名残り惜しい。
また従来のGaimユーザーは、メニュー上の「無効にする(disable)」という表示を「オフラインにする(offline)」と読み替えるとともに、アカウントごとに起動時に自動的にサインインするかどうかを指定できた1.5シリーズの「Account(アカウント)」ダイアログから、それ以前のスタイルのダイアログに逆戻りすることになる。今のところGaim 2.0には、わたしが探した限り、そうしたアカウントごとに自動ログインを設定できるオプションが見当たらないため、前回の終了時にログインしていたすべてのサービスに再びログインすることになってしまう。例え以前Gaimを終了したときには6種類のサービスにログインしていても、Gaimの再起動時にわたしが自動的にログインさせたいのは1つだけなのだ。
さらに、GaimがまだGoogle Talk向けの音声機能をサポートしていないことにひどくがっかりした。GoogleはLinux用のクライアントを提供していないため、この機能はLinuxユーザーにとっては大きなメリットになるはずなのに残念だ。
こうした不満はあっても、Gaimがわたしの好みに合ったチャットクライアントであることに変わりはなく、いつかは満足できるものになるだろう。 Gaimにはわたしがチャットクライアントに求める機能がほぼすべてそろっており、またプロトコルについてはわたしが使う必要のあるものすべてに加えてさらに幾つかがサポートされている。
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