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» 2006年11月10日 08時00分 公開

無線LAN“再構築”プラン:VoWLANのキモは「より高速、確実に」 (2/3)

[寺下義文,ITmedia]

既存環境を高速にするポイント

 では、どうすれば高速でつながるようになるのか? そのポイントを以下で説明しよう。

直接波の受信に徹する

 IEEE 802.11a/b/gに限らず、次世代のIEEE 802.11nやWiMAXについてもそうだが、採用されている無線周波数はアマチュア無線と比較してもきわめて高い周波数である。そして電波の特徴として、高い周波数になるほど性質が「光」に近づき、指向性が増すようになっている。これは、コンクリートの壁などはほとんど透過しないことを意味する。まずは図1を見てほしい。

図1 図1●AP(アンテナ)設置の良い例と悪い例

 この図は、ロの字型のフロアにAP(太陽のマーク)を設置する場合の例である。良い例では、対角線上に2台を設置することによってすべての場所に直接波が届いている。一方の悪い例では、同じ2台のAPを設置しているが、スミ部分がそれぞれのアンテナから死角になっており、そうしたエリアには反射波は届いても直接波はまったく届かない。

 もちろん、IEEE 802.11nなどの今後の無線LAN規格では反射波を有効に活用するようになるが、直接波に拮抗(きっこう)することはあっても勝ることはない。この点を肝に銘じて、AP(アンテナ)の設置に配慮したい。

低い転送レートは無効化する

 不用意に低速で接続されないようにするのもポイントの1つ。確実な方法としては、APと端末の両方で低速の転送レートを無効化しておくことだ。特にIEEE 802.11bにおいては、筆者は11Mbps以外の1、2および5.5Mbpsはすべて無効化してしまう設定を好んで使う。IEEE 802.11gをIP電話のためだけに用いるのであれば、そこまで極端に調整する必要はないかもしれないが、大量に通信する可能性のある装置ほど高速での接続を徹底して帯域の占有を短時間にとどめ、他者の通信を疎外しないように調整するのがよい。

 もし高いレートに絞ることで接続できないエリアができるようなら、そこにはAPを増設すべきであって、決して低いレートを許容するように調整してはならない。

利用チャンネルの制限

 これは、特にIP電話のハンドオーバー(ローミング)時に効果を発揮する設定でもある。IEEE 802.11bでは図2のように全部で14個(802.11gにはチャンネル14はない)のチャンネルがある。

図2 図2●チャンネルの相関図

 このように、各チャンネルにはオーバーラップする部分があり、重なる状態でそのまま利用すると干渉問題を引き起こす。このため通常は、以下の3パターンのいずれかに決めてAPの設置を計画する。

  • パターン1:チャンネル1を基準に6、11の3本を確保(図の青色のチャンネル)
  • パターン2:チャンネル2を基準に7、12の3本を確保(図の茶色のチャンネル)
  • パターン3:チャンネル3を基準に8、13の3本を確保(図の黒色のチャンネル)

 このように絞り込めば、隣り合うAPの相互干渉を低減できる。また、APをこのように設置する際、端末側も実際に利用しているチャンネルだけをスキャンするように調整する。これは、チャンネルを探す行為がハンドオーバー時の通話途絶時間の一部に含まれるためである。存在しないチャンネルをスキャンする時間は無駄なものであり、それによって途絶時間が長くなってはならない。

 まとめると、チャンネルを上記の3パターンのいずれかに決め、端末側の利用チャンネル設定も、APの設置状況に合わせて不要なスキャンを行わないよう調整するとよい。

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