コラム
» 2006年11月13日 09時00分 公開

企業にはびこる「間違いだらけのIT経営」:第15回:ロジックだけでは勝てない「抵抗勢力」との戦い (1/2)

新しいことに挑戦するときは必ず「抵抗勢力」が台頭するが、対応の仕方いかんで経営に大きな間違いをきたす。彼らをその原因から「守旧派」「ITアレルギー派」「メンツ派」「システムオリエンテッド派」に分類できるが、いずれにせよ、恐れず、しかし慎重に戦うことが大切だ。

[増岡直二郎,アイティセレクト編集部]

悪質な抵抗勢力は切り捨て方

 抵抗勢力に対して、どう対応すべきかを検討する。まず言えることは、一般的に説かれている対応の方法はあまり有効ではない。一般的には、トップが強い決意を持ち、トップダウンで進めることが有効とされる。これは間違いない。本稿でも、これを抵抗勢力対応の大前提とする。またITを成功させる条件はすべてが「トップ」に収れんして行くとも言える。

 しかし、企業、あるいは事業がどこへ向かうか、トップが目的を明確に示し、それをブレイクダウンしてマイルストーンを設定し、それらを全社で共有することによって価値観を全社で均一化し、そして改革の進捗状況を評価できるようにすることにより、抵抗勢力を納得させ、従わせることができると一般的に説かれているが、そんなオーソドックスな手法で落ちるような抵抗勢力ならば最初から問題にはならない。明解なロジックを掲げれば雲消霧散してしまうのならば苦労はない。問題になる抵抗勢力は、その程度の手法では簡単に落ちない。なぜなら、彼らもある種のロジックで抵抗してくるからだ。だから問題が顕在化して下手をすれば修正不能な状況に陥ってしまうのである。守旧派・ITアレルギー派・メンツ派は、彼らなりの信念があって抵抗しているのである。そうした相手に対しては正面から立ち向かうことが大切だ。

手を緩めることなく正面から立ち向かえ

 A社でSFAを公然と批判して、旧来の業務の進め方に固執するB営業部長の意向を汲んで、トップからシステムの見直しを指示された情報部門と一部の営業マンたちは、立ち上がった。彼らの敵はB部長から、短絡的にシステムの見直しを命じたトップに代わった。彼らは、導入したSFAの正当性を整理し、合わせて思い込みから旧来業務に固執するB部長の姿勢をCIOの力を借りてトップに訴えた。彼らとトップとの間で長時間激しい議論があり、その結果そこへBが呼ばれて、BはトップからSFAへの協力を要請された。「SFA問題解決グループ」の長に任命された職人気質のBは、トップからの言葉に意気を感じてSFAへの協力者に変身した。この手法は、守旧派には有効である。古い体質の人間は、体制に弱く、ちょっとしたきっかけで意気に感ずる。

 C社では、新入社員の週誌回覧を溜め込んだITアレルギーのE設計部長をラインから外し、担当部長という呼称で部下を与えず、技術的業務だけを課した。そのきっかけとなったのは、週誌を溜め込んだことをあくまでも正当化しようとするEにD取締役が執拗に注意をしたのに対して、Eが「そこまでおっしゃるなら、私が悪いんでしょう」と、開き直りにも思える発言をしたことだ。日頃のE部長の考え方や言動もあって、ラインの長には耐えられないと判断した。悪質な抵抗勢力は、切って捨てる勇断を下すべきだ。

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