インテリジェントなコンタクトセンターに「SOAは不可欠」、米Avaya

米Avayaのカスタマーサービスアプリケーション部門担当ディレクター、テッド・ブレイ氏が、コンタクトセンターにおけるSOAの役割を語った。

» 2006年11月16日 10時05分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 「堅牢なインフラにSOA対応のアプリケーションを組み合わせることによって、顧客およびその顧客の満足度を上げるというニーズを満たすことができる」――米Avayaのカスタマーサービスアプリケーション部門担当ディレクター、テッド・ブレイ氏は、先日開催したプレス向け説明会の席でこのように述べ、今後のコンタクトセンターにとってSOAは必須のテクノロジであるとした。

 顧客からの注文を受け付け、ときにはさまざまな問い合わせや苦情に応えるコンタクトセンターは、以前はただ電話を受け取り、回答する業務を一元化した「コールセンター」と呼ばれていた。しかし2000年以降、顧客サービスの向上を目的に、CRMアプリケーションなどと連動して顧客対応を行う拠点へと位置付けが見直されつつある。それにともない、電話やFAXといった従来の方法に加え、Webや電子メール、テレビ会議システムといった多様なコミュニケーションが利用できる環境も整ってきた。

 ブレイ氏は、こうした素地を可能にする鍵となる技術が2つあると指摘した。1つはSIP。もう1つが、一見コミュニケーションの世界とは縁遠そうに見えるSOAだ。「SIPとSOAによって、柔軟でインテリジェントなコンタクトセンターが実現できる」(同氏)。それが、競合他社とは差別化されたカスタマーサービスの提供を可能にするという。

 「CORBAなど、これまでもSOAライクなアプローチは存在した。しかしSOAは、Webやインターネット、XMLといった標準をベースにしている点が大きな違いだ」(ブレイ氏)。

 例えば、既存のWebベースのアプリケーションと高いレベルで連動したシステムも可能になる。すでにあるプロセスを活用するため、コストや時間を省きつつ、Web上で同一のユーザーエクスペリエンスを提供できる点がメリットだ。

 Avayaでは継続して、各製品のSOA対応を進めていく計画だ。すでに「Avaya Voice Portal」では、SOAを通じて、Webコンテンツだけでなくデータベースやメインフレームなどに格納された情報と連動しながら自動音声サービスを提供することが可能という。また今後は、SOAを通じてリアルタイムにレポートや分析を加え、コンタクトセンターで何が起こっているかを把握しながら、動的かつ適切に対処を変えていくための機能も計画しているという。

 Avayaでは、アプリケーションベンダーとの協業も進めている。その一例が、IBMのWebアプリケーションサーバ、WebSphereに特化したVoice Portalだ。こうした取り組みをともに進めるパートナー企業は、全世界で約4000社に上るという。

 「アクセスを最適化し、顧客の経験を最適化するには、高いレベルで統合され、しかも既存のITインフラにフィットするリソースを活用していく必要がある」とブレイ氏は述べ、SOAを抜きにしてこのような包括的製品は提供できないとした。

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