著名人ブログ争奪戦――広告媒体としてのオフィシャルブログ(3/3 ページ)

» 2006年11月22日 23時35分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 ブログサービスを利用する一般ブロガーが人気ブログとなり、オフィシャルブログへと昇格する。そしてその中で、リリースを元にした記事を書く。ブロガーに報酬が支払われ、リリース元の企業に商品購入や資料請求が行なわれる可能性が高くなる――このような図式が見えてくる。さらに、リリース元企業が、ブログサービス側にも広告を配信することで、ブログサービス側にもメリットが生まれてくる。

 すべてのブロガーがアフィリエイトや、リリースによる記事を書いているわけではないが、ことオフィシャルブログと連携させることで、新しいマーケティングの形が見えてくるのだ。誰しも、見知らぬ人が紹介したものより、有名人が紹介してくれたものを信用してしまう。テレビやラジオのショッピング番組で、タレントなどが商品を紹介するのもその効果を狙ったものだ。そしてインターネットの世界でも、オフィシャルブログという媒体がその任を担っていくのではないだろうか。

 しかし、ここで注意しなければならないことがある。それは、タウンミーティングなどで問題とされている「やらせ問題」だ。というのは、ブログマーケティングは、ややもすると「やらせ」になってしまう可能性があるからだ。

 ブロガーが自ら体験し、そのことを宣伝するのは問題ない。しかし、企業などから依頼されて、その内容をそのまま自分の言葉に置き換えてブログに書く――これは、仮にその実態が読者に分かってしまった場合、逆効果になりはしないだろうか。このやらせ問題に関しては、稿を改めて考察してみたいと思う。

 こう考えていくと、著名人ブログの引き抜きがなぜ行われていくのかが見えてくる。著名人であれば、一般ブロガーよりも、広告宣伝におけるやらせイメージは薄まるからだ。あくまでもこれは理由の一つに過ぎないかもしれないが、今後、膨張していくブログマーケティングの分野において、ブロガーを牽引していくオフィシャルブログの存在感が増していくのは間違いないだろう。

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