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» 2006年11月29日 07時00分 公開

VB 6アプリを.NETプラットフォームへ移行する方法

Visual Basic Interop Forms Toolkitにより、開発者はVisual Basic 6アプリケーションを少しずつ.NETに移行できるようになるだろう。ただし、そのプロセスはシームレスではなく、デバッギングも複雑だ。

[Greg DeMichillie,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Visual Studio(VS)2005用の新しいアドオン「Visual Basic Interop Forms Toolkit」により、開発者はC#またはVisual Basic .NET(VB.NET)で作成したフォームをVisual Basic(VB)6から扱えるようになる。基本的には、開発者はこのツールキットにより、VB 6アプリケーションを少しずつ.NETに移行していきやすくなるはずだ。アプリケーションのフォームを個々に.NET Frameworkベースの新しいバージョンで置き換えていけば良いからだ。ただし、そのためのプロセスはシームレスにはほど遠く、開発者は.NETフォームとVB 6アプリケーションの両方でカスタムコードを記述しなければならず、デバッギングも複雑だ。

ハイブリッドアプリケーションをサポート

 Interop Forms Toolkitの目的は、VB 6アプリケーションに含まれる個々のフォーム(VBでは、インタフェースウィンドウのことをフォームと呼ぶ)を、.NET Frameworkを使って書かれた新しいバージョンで置き換えることにより、開発者がVB 6アプリケーションを少しずつ.NETに移行できるようにすることだ。つまり、アプリケーションをゼロから書き直すよりも、部品ごとにアプリケーションを移行できるようにしよう、という考え方だ。新しく置き換えられた部品は、例えば、改良版のフォームレイアウトやWebサービスのサポートなど、.NET Frameworkならではの機能も幾つか、活用できることになるだろう。

 このツールキットは、.NET FrameworkによるCOM相互運用性のサポートを土台としているが、VBフォームに特有のニーズに合わせてカスタマイズされている。

 このツールキットを用いるには、開発者はVS 2005を使って、C#またはVB.NET、いずれかのプログラミング言語でフォームを作成する。フォームが完成したら、開発者はこのツールキットで提供されるVSアドインを使って、そのフォーム用のCOMラッパーを作成する。このラッパーをVB 6で使用すれば、VB 6アプリケーションで.NETフォームを作成したり、実行したりできる。

 だが、VBフォームは自己完結的な存在ではなく、しばしば、アプリケーション内のほかのフォームやアプリケーション自身ともやり取りする。Interop Forms Toolkitには、以下のように、そうした統合を支援するための幾つかのコンポーネントが含まれる。

  • フォームを表示したり、閉じたりといったイベントをアプリケーションに転送するEvent Messenger。
  • フォームとそれを含むアプリケーションとでステート情報(ユーザーの名前など、各種のネットワーク信用証明情報)を共有できるようにするためのコンポーネント。

プラグ&プレイではなく、変更もサポートされない

 このツールキットは、開発者がハイブリッドアプリケーションを作成するのに役立つのだろうが、そのプロセスは自動化されておらず、以下に示すように、幾つかの制限もある。

カスタムコードが必要

 このツールキットはVB 6と.NETの橋渡し役にはなるものの、開発者はVB 6アプリケーションと.NETフォームの両方でカスタムコードを記述しなければならない。例えば、VB 6アプリケーションでイベントを発射させるためのコードと、純然たる.NETアプリケーションでイベントを発射させるために使用されるコードは、同じではない。

フォームの相互関係が独特

 例えば、複数文書インタフェース(MDI)アプリケーションがサポートされず、VB 6フォームを1つ前面に持ってくると、すべてのVB 6フォームが前面に出てしまう。

デバッギングが複雑

 開発者はVB 6コードから.NETコードに自動的には進めず、VSとVB 6の両方の開発環境をスタートさせ、VSのAttach to Process機能を使って、VSデバッガをVB 6に接続しなければならない。さらに、VB 6は統合開発環境、デバッガ、およびデバッグされるアプリケーションの保持に同一のOSプロセスを使用するため、VSデバッガのブレークポイントで停止すれば、VB 6の開発環境全体が停止することになる。そのため、アプリケーションを停止した状態でVB 6コードを調べるのは非常に難しい。

追加の導入ステップが必要

 .NETフォームを、そのフォームが使用するそのほかすべての.NETコンポーネントとともに、システムにインストールしなければならない。

 なお、Interop Forms ToolkitはMicrosoftの基本戦略に何ら変更をもたらすものではない。同社は開発者に対し、VB 6からVSおよび.NET Frameworkへ移行するよう望んでいる。実際、MicrosoftはInterop Forms Toolkitの開発を自社では行わずに、VB製品チームと長年提携関係にあるClarity Consultingに依頼している。

 つまり、重要なアプリケーションをVB 6で動作させている企業は、「もはやメインストリームサポート期間の終了したツールをあとどのくらい使い続けたいか」「ゼロからの書き直しよりも漸増的な移行のほうがアプローチとして適切か」という2点について、依然として、決断を迫られているということだ。

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