NGNのノウハウを教えます――BT

BTは、自社のNGN構築で培った経験を世界の通信事業者に提供するサービスを開始する。

» 2006年12月07日 20時53分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 BT(British Telecommunications)グループは12月7日、次世代ネットワーク(NGN)の導入支援サービスを通信事業者向けに提供するビジネスユニット「21C Global Venture」(21C GV)を設立したと発表した。NGNへの移行を目指す世界中の通信事業者にコンサルティングサービスを提供する。

ポール・レイノルズCEO ポール・レイノルズCEO

 BTは、100億ポンドを投資じて2004年から「21世紀ネットワーク」と呼ばれるNGNの構築に着手している。11月28日にウェールズ地方で35万世帯を対象に、通信事業者では世界で初めて一般回線からNGNへの切り替えを実現した。

 2010〜2011年頃をめどに英国全土3000万世帯のNGNへの移行完了を目標としており、切り替えが完了した地域から順次、24MbpsでのADSLサービスやVoIP、IPTV、企業専用線などのサービスを提供する。また、年間で約10億ポンドのコスト削減も見込んでいる。

 21C GVは、こうしたBTがNGN構築で獲得したノウハウや技術などを基に、世界中の通信事業者を対象に構築、導入支援サービスを提供する。当初は300人体制で、実際にNGN構築に携わった人材や専門家らで構成されている。

 BT Wholesaleのポール・レイノルズCEOによれば、当初はNGNへの移行が始まるまでに10年近くかかる見込みだったとのこと。しかし、ブロードバンドを利用したVoIPやVODといった高品質サービスの世界的な導入拡大を背景に、実際は計画立案から2年あまりで移行を開始した。「利用者には2006年の移行開始、2011年までの移行完了を公約として宣言している。ハードルは高いが、公約がBTの目標達成の原動力となった」という。

 21C GVについて、レイノルズCEOは「NGNに挑戦する上で技術的、サービス品質の課題は膨大なものであったが、それを乗り越えたBTの経験を世界の通信事業者に提供していきたい」と述べた。すでに日本の通信事業者からのニーズもあるといい、日本でのサービスは、BTジャパンを通じて提供していく。

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