「J-WAVEがW-ZERO3で聴ける」――ウィルコムとのコラボプロジェクト始動

J-WAVEとウィルコムは、ネットラジオ放送「J-WAVE Brandnew J」をW-ZERO3シリーズでも聴取できるサービスを開始した。六本木ヒルズでの体験イベントも実施する。

» 2006年12月11日 23時27分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
photo 「J-WAVE Brandnew J」をストリーミング中のW-ZERO3[es]

 J-WAVEとウィルコムは12月11日、J-WAVEのインターネットラジオ放送「J-WAVE Brandnew J」を、ウィルコムの「W-ZERO3」「W-ZERO3[es]」上で聴取できるサービスを開始した。インターネット放送をモバイル端末向けに提供するのは国内初。利用は無料だが、初回ログイン時に会員登録が必要だ。また、パケット通信料は別途発生する。

 Brandnew Jは、5月29日から実験運用を開始し10月2日から本放送を開始した24時間の音楽専門インターネットラジオ。「1 DAY 1 FORMAT 3 LONG PROGRAM」編成で、1日3人のナビゲーターが12時間の生放送を行い、リピートによりさらに12時間の放送を行っている。

 今回、W-ZERO3シリーズ向けに専用のトップページを用意し、携帯端末からの会員登録やログインをよりスムーズに行えるようにした。ストリーミング音声はWindows Mobileに搭載されているWindows Media Playerを利用して聴くために、PCと同じコンテンツをモバイル環境で楽しめる。ビットレートは64kbpsと32kbpsの2種類で放送されている、W-ZERO3シリーズには32kbpsで配信される。

photo W-ZERO3シリーズ用のトップページ「J-WAVE Brandnew J Mobile」。Windows Media Playerを使用し、著作権保護にはDRM 10を用いる

 インターネット放送は大量のパケット通信が発生することから、携帯電話などモバイル端末での聴取は一般的ではない。しかしウィルコムなら、「ウィルコム定額プラン」や「データ定額」を組み合わせることにより、定額料金での利用が可能だ。

 J-WAVEは12月11日より25日まで、六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューで「J-WAVE CHRISTMAS SKY LOUNGE」を実施しており、ウィルコムも協賛企業として参加。W-ZERO3[es]によるJ-WAVE Brandnew Jのストリーミングデモや、W-ZERO3[es]と発売間近の「9(nine)」のタッチアンドトライコーナーを出展している。

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 タッチアンドトライ用のW-ZERO3[es]には、「UNIVERSAL LOVE」をテーマにJ-WAVEがセレクトしたクリスマスにふさわしいラブソングが転送されており、曲を聴きながら東京シティビューからの展望を楽しめる。また、イベント会場ではJ-WAVEの放送と連動した公開ライブイベントも行われる。

photophotophoto 海抜250メートル。東京タワーの展望台を“見下ろし”ながら、W-ZERO3[es]や「9(nine)」のタッチアンドトライができる。ネットラジオのストリーミングのほか、J-WAVEがセレクトした100曲の試聴も可能

 東京シティビューへの入館料は一般1500円、学生(高校・大学生)1000円、子供(4才〜中学生)500円。営業時間は9時から深夜1時まで(最終入館午前0時)。

ネット放送をモバイル対応させる理由とは?

photo J-WAVE 佐藤崇氏

 なぜ、インターネット放送をモバイルに対応させる必要があったのだろうか。J-WAVE メディア開発局長で、Brandnew J 事務局長を務める佐藤崇氏に話を聞いた。

 「当初、J-WAVEを聴取できないエリアへのサービスとして、FM放送をサイマル配信するインターネット放送を企画しました。しかし、番組のIP再送信には、楽曲の権利などクリアする問題が多かった。そこで、初めからネット放送を前提とする楽曲の権利契約を結び、スポンサーも独自に集めるネット放送をスタートしました。それが、Brandnew Jです」(佐藤氏)

 J-WAVEが非聴取エリアとする場所には、意外にもオフィスが含まれる。

 「仕事中にラジオをかけっぱなしにする方は多い。しかし、オフィスの場所によってはFMが入りにくいことがある。そういった場所でも我々の番組を楽しんでもらおうと、PC向けのインターネットラジオを企画しました」

 ネット放送で新たなリスナー層を獲得したJ-WAVE。しかし、メディアとして常に新しいチャレンジをしていく必要があり、Brandnew Jの次なる展開を考えていたという。その中の1つがモバイル向けの展開であり、あるスタッフが、W-ZERO3[es]でネット放送を聞くことができるか試してみたのが始まりだと、佐藤氏は話す。

photo J-WAVEの応接室でも、1日中Brandnew Jを流している

 「Windows Mobileが入っている、Windows Media Playerが動く。なら聞けるんじゃないかと。うちのスタッフがW-ZERO3[es]を購入し、契約したその場で(Brandnew Jの)会員登録をしてログインしたら、Brandnew Jが流れた。これは行けるなぁ、と思いました」(佐藤氏)

 もともとJ-WAVEにはウィルコムが提供している番組があり、まったく交流がない企業同士ではなかった。ある日、J-WAVEを訪れたウィルコムの役員に、W-ZERO3[es]でBrandnew Jのストリーミング再生を見せたことが協業の直接のきっかけだ。

 「我々はラジオ屋。極端なことをいえば、何から番組が流れてもかまわないんです。FM放送はもちろん、ポッドキャストもあるし、ネット放送もある。ニーズに合わせて聞いて頂けるなら、そのスタイルにはこだわりません」(佐藤氏)

 Brandnew Jのビットレートは64kbpsと32kbpsの2種類で、モバイル向けには32kbpsで配信する。当然FM放送よりは音質劣るが、ちょっと良いイヤフォンやスピーカーを使えば、気にならなくなるという。

 「W-ZERO3[es]であれば、仕事中のちょっとした空き時間や、オフのプライベートタイムでもBrandnew Jを楽しめる。Brandnew Jでこれまで以上にJ-WAVEを楽しんでほしいですね」(佐藤氏)

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