PeopleSoftヒューマンキャピタル・マネジメントビジネス・ゴールとパフォーマンスの最適化を支援する(1/3 ページ)

企業内の人的資源を価値創造の源泉と捉え、「人」を中核に組織全体を通じて価値を創造し、“タレント・マネジメント”を通じ、ビジネス・パフォーマンスを促進する「PeopleSoft Enterpriseヒューマンリソース管理ソリューション」。ワールドワイドで成功を収めている企業の多くが導入する理由を探ってみよう。

» 2006年12月13日 08時00分 公開
[ITmedia]

このコンテンツは、アイティセレクト2007年1月号増刊「ビジネスアプリケーションガイドブック」の内容を一部修正し転載したものです。


リアルタイムHCMの実現

 「PeopleSoftヒューマンキャピタル・マネジメント」(以下、PeopleSoft HCM)は、オラクルのPeopleSoft Enterprise製品ラインのアプリケーションファミリである。PeopleSoftは、その名称から想像できるように、企業の経営資産である「人」にフォーカスした人事管理ソフトウェア会社として、1987年にアメリカで創業した。その後、会計・生産・物流・顧客管理と総合的に製品ファミリを揃えてきた。これまでに提供してきたPeopleSoftアプリケーションは、Fortune 500の上位100社中、73社が利用している。歴史の浅いソフトウェア業界の中では後発の参入ではあるが、その分、他の業務アプリケーションベンダーがレガシーシステムからの脱却を模索する中、当時、新しいコンセプトであった“クライアント/サーバ”を採用。その後、社会的環境を変えた“インターネットアーキテクチャ”への移行を迅速に行ってきた。

 19年間に渡る人事関連業務のノウハウと実績を元に、採用、育成、配置、処遇などの業務において、効率的なビジネスプロセスを標準化、人事データベースを一元化し、完全にインターネット上に移行して、さらに特別なソフトウェアやプラグインを一切必要としないピュアインターネット技術を採用。これにより、Internet ExplorerやNetscapeなどのブラウザさえあれば、職務に応じたセキュリティの制限下、人事担当者、応募者、従業員、契約社員、管理者、経営者など、企業に携わるすべての人が国内外問わず、世界中のあらゆるところから、単一のデータベースを24時間365日、アクセスできるサービスを可能とした。また、すべての業務画面は単一のHTMLベースに統一されている。利用者は、慣れ親しんだインターフェイスを利用し、給与明細の確認、経費の承認、研修の登録、人材評価などで使用できる。

 この統一性により、基本的な画面操作方法を習得すれば、実際の業務画面を直感的に扱えるようになり、トレーニングの期間やコストを大幅に削減できる。また、使いやすさは生産性を向上させるだけでなく、情報精度の向上も図れる。情報が正確であれば、より活用頻度が向上するという好循環につながる。これこそが、リアルタイムHCMという意味なのである。

Webブラウザから利用できる親しみやすいインターフェイスを採用

人、プロセス、システムを統合

 オラクルのPeopleSoft HCMの特徴は、単にインターネットアーキテクチャや利便性の向上のみならず、人、プロセス、システムのすべてを統合し、すべての人材へ真の価値を提供できることである。

 PeopleSoft HCMは、「人員計画/条件整備/入社手続」「評価/設計/人材開発」「最適化/サポート/モニター」「報酬計画/動機付け/処遇」の、4つのコアHRビジネスプロセスから構成されている。

人員計画/条件整備/入社手続

 ビジネスゴール達成のために必要な人材の計画を立て、自社に適切な人材を迎え入れるための条件を整備し、入社と共に即座に生産性を発揮できる環境を提供。

  • 採用プロセスの自動化、効率化
  • 組織力分析に基づいた適切な人材募集
  • 職務要件に合致した人材の確保
  • 採用に伴うコスト分析

評価/設計/人材開発

 人材の能力を評価し、そのキャリアや企業のビジネスゴールに沿って能力を高めるための学習環境や育成プログラムを提供。

  • スキル/コンピテンシーの組織的かつ迅速な収集
  • 役割・目的に応じた学習手段の提供
  • 研修受講/適切な評価
  • 企業目標に合致した従業員の行動/成果

最適化/サポート/モニター

 タイムリーに適材適所を実現することで、グローバル規模で人材配置を最適化することが可能。また、各人材を中央でモニタリングして集中管理し、適時性を持って十分な報酬を提供。

  • 人材の最適な配置
  • 一元化された人材情報とビューを提供
  • 管理業務の時間とコストを低減
  • 従業員ニーズのサポート

報酬計画/動機付け/処遇

 企業のビジネス・ゴール達成に向かって人材が業務を遂行する動機付けとして給与・賞与などの報酬の構造を定義。

  • 給与体系のモデリング
  • 多彩な報酬手段の提供
  • ベンチマーク活用と適正な報酬の支払い
  • 経済環境変化への迅速な対応
最適化されたHCMプロセス

 例えば、ラインマネージャであれば、履歴書の整理や採用担当者との打ち合わせに取られる時間を減らし、優れた能力を持った人材の選考、条件整備、環境準備により多くの時間を使えるようになる。エンドツーエンドのビジネスプロセスを実現し、結果としてより低いコストでより高い生産性を手にすることができる。最適な人材配置、優秀な社員の育成と適切な処遇、長期にわたる優秀な人材の維持など、従業員の持てる価値を最大限に引き出し、企業全体の効率と業績向上を支援することになるのだ。

 また、これらの人事業務プロセスは、欧米の業務要件に偏っているわけでなく、22カ国の言語対応、数に制限のない通貨設定はもとより、主要国の法制度や慣習が標準化されて取り込まれている。例えば、複数の人事制度、出向、兼務などを必要とするグループ会社管理、異動シミュレーション、従業員セルフサービスでの年末調整手続きなど、日本固有のニーズもその対象である。つまり、日本国内だけで展開している会社から、グローバルに展開中/計画中の会社まで、PeopleSoft HCMソリューションで対応できる。

 なお、グループ会社管理というと、事業規模が大きい企業のみの課題と捉えられがちだが、一概にそうとは言い切れない。一口にグループ経営と言っても、カンパニー制、事業部制から、完全別会社などの形態はさまざまだ。昨今の変化の激しい経済環境においては、新規事業の立ち上げや人材育成に時間を割くことができず、企業の統廃合による対応が決して珍しくない。企業の統廃合は、大型案件だけでなく、小規模な案件へもシフトしており、グループ経営は以前にも増して、重要な課題である。経営の形態変化を積極的に行わないと、命取りになりかねないため、企業規模や業種に関わらず、グループ管理機能を持ち合わせることが、人事システムの肝である。

 PeopleSoft HCMでは、複数会社の異なる人事制度、データ体系が存在しても、体系ごとに使用すべきデータセットが自動的に決定され、同一システム配下におけるグループ会社間での情報の共有・非共有を容易に実現することができる。これにより、システム稼働後における企業の合併・統合・分割も柔軟に行える。

異動シミュレーションに対応
年末調整情報など、日本固有要件にも対応
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