つまり、Liveガジェットで何ができるのかというのは、「クライアントサイドのJavaScriptで何ができるのか」を問うのと同じであり、「アイデア次第」というのが、その答えとなるだろう。
第1回でも触れた「Windows Vistaのサイドバーガジェット」について言及していこう。
Vistaガジェットの環境を知ることで、Liveガジェットへの理解が深まるはずだ。これが今回の記事目的だ。
Liveガジェットの開発環境は、まだβ版であるのに対し、Windows Vistaのサイドバーガジェット(デスクトップ右側に表示されるガジェット総称)は、RTMが登場したということもあり、正式版になっている。
サイドバーガジェットの仕様については、MSDNライブラリサイトの[Win32 and COM development]→[User Interface]→[Gadgets]に記載されている(関連リンク)。
サイドバーガジェットは、Liveガジェットとは違って、インターネットから読み込まれて実行されるのではなく、あらかじめ、ローカルにインストールされたものを起動する。
Windows Vistaで、ガジェットの追加画面を表示すると、画面3のようにインストールされているガジェットの一覧が表示され、ダブルクリックでサイドバーへと追加できるのだ。
この一覧に表示されているのは、ローカルの次のいずれかの場所にインストールされているものだ。
1. C:\Program Files\Windows Sidebar\Gadgets\ フォルダ下
2. C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Windows Sidebar\Gadgets\ フォルダ下
実際に上記「1.」のフォルダ内を見ると、Windows Vistaに標準インストールされているガジェットのマニフェストやHTML、JavaScriptのソースコードを見ることができるのだ。
実際に、ごく簡単なサイドバーガジェットの例を見てみよう。
下記のリンク先で用意したリスト6、リスト7は、6回目で紹介したリスト1とリスト2のLiveガジェットと同等の機能をサイドバーガジェットとして実装したものだ。
このサイドバーガジェットを実際に実行するには、次のようにする。
1)C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Windows Sidebar\Gadgetsの下に、「*.gadget」という拡張子をもつ適当なディレクトリ――例えば、「itmedia.gadget」――を作る。
2)「1)」のフォルダ内に、リスト6をgadget.xmlのファイル名で配置する。
3)「1)」のフォルダ内に、リスト7をMyGadget.htmlのファイル名で配置する。
ディレクトリの拡張子は、必ず「.gadget」でなければならない。またマニフェストファイルとなるリスト6の名称も「gadget.xml」の必要がある。しかし、リスト7のファイル名は何でも構わない。リスト7のファイル名を変更したときには、リスト6のbase要素で指定しているファイル名を変更する必要がある。
フォルダを作ってリスト6、リスト7を配置すると、ガジェットの追加画面に、配置したガジェットが表示される(画面4)。そして実際にインストールすると、Windows Vistaのサイドバーに、作成したガジェットが表示されるのだ(画面5)。
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