フランケンシュタイン方式でWindows Vistaを不正にアクティベートする方法に対し、Microsoftがアップデートで防止策を取った。
Windows Vistaの海賊版が出回り、不正にアクティベートする方法が公開されている問題で、米Microsoftは12月14日、海賊版を阻止するためのアップデートをリリースしたと発表した。
Windows Vistaは海賊版防止策として新しいアクティベーション機能を実装しているが、同社MSDNのブログによれば、これを回避しようとする動きがここ数週間で多数見られ、現時点である程度機能する回避方法が少なくとも2つ存在しているという。
このうち1つは、リリース候補のビルドと正式版のRTMのビルドを組み合わせたハイブリッド版で、その「継ぎはぎ」ぶりからMicrosoftでは「フランケンビルド」と命名。もう1つは仮想化技術と大企業向けのアクティベーション方法を使ってアクティベーションを回避する方法が取られている。
Microsoftがこのほどリリースしたアップデートでは、Vistaの新しいWindows Updateを使ってこのフランケンビルドを検出し、正規の認証チェックを通過させる措置を取った。影響を受けるのは、Windows Vistaのバイナリを改ざんした特定バージョンのみ。
これによって海賊版と判断されると、AeroやReadyBoostなどの特定機能を失い、30日の猶予期間中に正規のプロダクトキーでアクティベートし直すことを求められる。アクティベートされない場合、デフォルトのブラウザで1時間しか利用できない制限機能モードに入る。
Microsoftでは今後もソフトアップデートのリリースなどを通じ、海賊版のWindows Vistaの配布と利用を阻止する構え。
コンシューマー向けには、海賊版Windows VistaのDVDが世界各地で路上販売されているが、こうした廉価版を使えば最低でも金銭的損失を被り、ハッキングやトロイの木馬といったマルウェアの危険にさらされるかもしれないと警告している。
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