迷惑メールブラックリストを提供してきたORDB.orgが活動停止

電子メールの不正中継を許しているメールサーバをリスト化して提供してきたORDB.orgが、12月18日付で活動を停止した。

» 2006年12月19日 16時44分 公開
[ITmedia]

 電子メールの不正中継(第三者中継、オープンリレー)を許しているメールサーバをリスト化して提供してきたORDB.orgは12月18日、同日付で活動を停止することを明らかにした。

 ORDB.orgでは約5年半にわたり、スパム対策を目的に、オープンリレー状態にあるメールサーバをリスト化し、RBL(Realtime Black List)として提供してきた。しかし18日で活動を終え、DNSおよびメーリングリストを停止。12月31日にはWebサイトも閉鎖する予定という。

 オープンリレーサーバとは、正当なユーザーからのメールだけでなく、スパマーが送信するメールについても中継を行う、設定の甘いサーバのことを指す。間接的にスパマーを利することになるこうしたサーバの情報をリスト化したのがRBLだ。

 これを参照し、リストに載っているサーバからのSMTP接続を拒否することで、スパムの受信を拒否することができる。一方で、何らかの理由で正規のメールサーバがリストに掲載されることにより、本来届くべきメールが届かなくなるという副作用も生じていた。さらにスパマー側も、オープンリレーサーバに代わり、ボットネットなど他の手段を用いてスパムを送信しつつある。

 ORDB.orgでは、リスト作成に当たってきたボランティアスタッフの時間がなくなってきたほか、近年、スパム送信者の戦術が変化したことによって、RBLがスパム対策としての有効性を失いつつあることを理由に、活動停止を決定した。

 リストを利用しているシステム管理者に対しては、ORDBのリストを速やかにメールシステムから削除するとともに、グレイリスティングやコンテンツベースの分析といった他のスパムフィルタリング手法を導入するよう推奨している。

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