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» 2007年01月26日 09時00分 公開

Thunderbird 2.0の先行レビュー(2/3 ページ)

[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

持ち越されたアカウント設定関連の不備

 Thunderbird 1.5に比べてさほどの改善が行われていないのが、アカウントの設定法だ。確かに電子メールアドレスを1つしか持っていないユーザーであれば、Thunderbirdの初期設定は簡単に済む作業の1つにすぎないだろうが、複数のメールアカウントを使い分けているユーザーや特殊なポート設定を必要とするユーザーの場合、そうした設定に使うウインドウやダイアログの構成が非常に分かりにくくなっているのである。

 同じく、Thunderbirdの開発者たちが何故そのような方式を選んだのか納得しがたい部分として、デフォルトではメール送信用に共通のSMTPサーバを使用する仕様になっている点が挙げられる。例えば、仕事用のアドレスとGMail用のアドレスという、2つのメールアカウントを設定した場合、前者のアカウントで送るメールであっても、Thunderbirdは後者のアカウントにあるサーバから送信しようとするのである。しかもそうした仕様であることについては、ユーザーに対して何の警告も表示されない。実際Thunderbirdのアカウントの追加用ウィザードには、メール送信用のSMTPサーバを何にするかを指定するステップが存在せず、SMTP設定を独自に変更したければ、ウィザードによるアカウント設定後に手作業で必要な設定を書き換えるしかないのである。

 これは非常に問題のある仕様であると見なすしかない。それというのも、本来通るべきドメインのMXホストとして設定されていないサーバを経由して送られてきたメールがあると、スパムフィルタが反応するケースが多いからだ。ホスティングプロバイダーのサポートを行ってきたわたしの経験から判断すると、こうして送られるメールの大部分はISPのスパム/ジャンク用フォルダに直行されてしまうので、届くべきメールが不達になっているという苦情を殺到させる原因となるはずである。

 またThunderbirdでは、初期設定時にPOP3やIMAPポートを指定する方法も用意されておらず、これらに関してもアカウント設定後に改めて再設定するしかない。

 そのほかにもThunderbirdの設定ダイアログには、直感に反する構成となっている部分が存在する。通常の感覚からするとSMTPサーバの設定は、サーバ設定用のダイアログないしはこのダイアログにある詳細設定で行えそうなものだが、実際にはアカウント設定用ダイアログのトップレベルにある項目の1つで行うのである。

 ほかのメールクライアントからThunderbirdに乗り換える場合だが、Communicatorユーザーを除いて、Thunderbirdのインポート機能を過信してはいけない。わたしは、今回の2.0リリースに伴ってインポート用ツールも改善されるかと思っていたのだが、その点については期待はずれであった。メールクライアントの乗り換え法については「Thunderbird FAQ」に説明されているものの、過去に受信したメールをThunderbirdが読み取り可能なフォーマット(mbox)に書き出しておく作業については、基本的にユーザーの裁量任せになっている。さらに、Thunderbirdのプロファイルディレクトリを見つけて、必要なファイルをコピーする作業も、ユーザーが手作業で行う必要がある。

ポップアップ形式によるメール着信通知の是と非

 Thunderbird 2.0では、受信トレイへのメール着信を通知するポップアップ形式のメッセージ表示機能にも改良が施されている。具体的には、メッセージの件名と送信者およびメール本文の一部がポップアップダイアログ上に表示されるよう改められた点だ。最も、Mozilla Firefoxの開発陣はブラウザ上での不要なポップアップ広告を抑制しようと奮闘しているのに、対するMozilla Thunderbirdの開発陣はメールクライアント上にわざわざポップアップ機能を追加したというのは、何やら複雑な気がしない訳でもない。

 このポップアップにおける、件名、送信者、メール本文の表示については、表示機能のオンとオフをユーザーが個別に設定できる。なおわたしの環境の場合、Thunderbirdによるポップアップは、吹き出し状のダイアログとして画面右下に表示される(GNOMEのアイコントレイからポップアップされる警告ダイアログに似ているが、こちらの配色は黄色だ)。

 このポップアップ表示は、Thunderbirdがメールボックスへの着信チェックをかけるごとに行われるので、10分間隔でメールチェックをするよう設定している場合だと、ポップアップも10分ごとに表示される可能性がある。なおThunderbirdによるメールの着信チェックについては、ポップアップを置き換えるないし併用する形で、着信音をユーザー設定することもできる。

 着信メールの通知機能に対するユーザーの要望が多いのは分かるが、わたしの場合、実際に使い始めて20分もするとポップアップが小うるさく感じられるようになったので、すぐに停止させてしまった。こうしたポップアップ機能の無効化も簡単に設定できる。あるいは、ポップアップ形式の着信通知は気に入ったが実行間隔だけを長くしたいという場合は、各自のアカウント設定にある着信チェック間隔を変更すればよく、30分なり1時間なり任意の間隔で実行させることが可能だ。また、新着メールの通知など不要というユーザーであれば、自動着信チェックの機能そのものをアカウントごとに無効化しておくことも可能である。

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