電話スパムに対抗する技術をNECが開発

NECは、IP電話による「音声のスパム」からユーザーを守る技術を世界に先駆けて開発した。

» 2007年01月26日 20時22分 公開
[ITmedia]

 NECは1月26日、IP電話によるスパム攻撃(SPIT:SPAM over IP Telephony)を防止する技術「VoIP SEAL」を開発したと発表した。NECは今後、同技術の早期実用化を目指す。

 IP電話はブロードバンド環境の整備に伴い、企業/家庭を問わず急速に普及しているが、その使いやすさからアナログ電話同様に自動広告通話やフィッシング詐欺(ビッシング:VoIP版フィッシング)といったSPITにさらされる可能性も大きくなってきた。SPITは、ボットネットなどでスパム生成ツールを動作させることで容易に実施でき、ユーザーは迷惑メール以上の被害を受けることになる。

 VoIP SEALでは、人の電話とスパム生成ツールによる電話の判別を、対話プロセスで通話の相手が人か機械かを判断するチューリングテストによって行う。IP電話が接続してユーザー間の通話が開始される前に通話時の応答パターンに基づいてSIPサーバ上でSPITの不正通話を検知/遮断するため、実際に呼び出し音が鳴ることはない。

 また、VoIP SEALはモジュール形式を採用しており、SIPサーバやホームネットワーク機器、端末などさまざまなハードに合わせたカスタマイズや、機能の追加/変更が容易になる。NECによると、同技術でSPITを撃退するシミュレーションを実施したところ、99%のSPITを検知、遮断できたという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ