通信セキュリティはもう手に負えない――Postiniが管理者の声を調査

2006年はボットネットが爆発的に増大。2007年は事態がいっそう悪化すると予想され、こうした状況に対応できると答えた管理者は4分の1に満たなかった。

» 2007年01月31日 10時49分 公開
[ITmedia]

 企業の通信手段はメールやIM、VoIPなど多様化が進む一方で攻撃は増大し、コンプライアンスも強化される中、管理者の手に負えない状況になりつつある――。セキュリティ企業Postiniが年次レポートをまとめ、こんな実態について報告した。

 Postiniは企業で電子メールやインスタントメッセージング(IM)などの通信を担当する専門職と管理職450人を対象に、セキュリティとコンプライアンスに関する意識調査を実施。Postiniのデータセンターで収集した統計と合わせて報告書をまとめた。

 意識調査では回答者の71%が、通信セキュリティ問題を2007年の最大の課題として挙げ、法令順守のためのコンプライアンス戦略策定が最優先課題になるとの回答は51%に上った。

 半面、現在の通信ポリシーは自分の手に負えると答えたのは4人に1人に満たなかった。メール、IM、Web2.0、モバイルコンピューティング、VoIPといった通信チャンネルの多様化と、リスクの増大、コンプライアンスリスクの高まりといった状況の中、通信チャンネルが制御不能になっていると感じさせる事態を引き起こしているとPostiniは解説する。

 同社の統計によれば、2006年はボットネットが爆発的に増大し、世界で日々100万以上のインターネットアドレスから攻撃が仕掛けられている状況だ。スパムは2006年中に147%増加し、12月のメールに占めるスパムの割合は過去最高の94%に到達。意識調査では91%がスパムは2007年も増加を続けると予想している。

 ボットネットの台頭によって通信セキュリティの様相が変化し、生産的なビジネスツールとしての電子メールの有用性が脅かされているとPostiniは見る。意識調査でも大多数が、2007年は事態が一層悪化すると予想している。

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